珍しくほぼ無風のZOZOマリン。絶好の“交流戦花火”日和の3発も、首位ロッテに勝利の大輪は咲かなかった。

1-4で迎えた6回1死。昨季まで巨人に在籍したグレゴリー・ポランコ外野手(31)が、先発戸郷の134キロフォークを完璧に捉えた。「2ストライクと追い込まれていたのでコンパクトに打つことを意識しました。ホームランになって良かった」。右翼席に突き刺し、巨人時代から継続する「パワーポーズ」で喜びを表現した。

さらに1死二塁から、安田尚憲内野手(24)も148キロ直球を振り抜き、バックスクリーンに同点2ラン。「ポランコが目の前でホームランを打ったので、いい流れに乗って自分もホームランを打つことができました」。一塁ベースをまわると右翼スタンドのロッテファンに向かってガッツポーズ。ベンチに戻ると、吉井理人監督(58)やナインに笑顔で出迎えられた。

初回には「1番中堅」で起用された岡大海外野手(31)が、初球の141キロ直球を捉えて左中間に先頭打者本塁打で先制。「先頭打者としてチームに勢いがつくようにと思って打った結果、ホームランになって良かったです」。前日30日の2発に続く花火ショーに観衆のボルテージも上がった。

だが、古巣初対決の先発C・C・メルセデス投手(29)が5回5安打4失点で降板。「自分の思うような投球ができませんでした。次に向けてしっかり反省して準備します」。初回は3者連続空振り三振だったが、2回先頭の岡本和に一発を浴び、5回には坂本にも左中間に運ばれた。

同点の8回には沢村拓一投手(35)が4番手で登板。岡本和の左中間ソロに続き、中田翔には2ストライクからスプリットを左翼席に運ばれて2者連続本塁打を喫して勝ち越された。

吉井監督は打者陣に関しては「特に安田は積極的にあの打席はいってくれたので、打ってくれて良かった」と称賛。7失点の投手陣には「C・C(メルセデス)が初回から飛ばしすぎて、2イニング目から具合が悪かった。かってに自分で気合を入れすぎたのかなと。気持ちは分かりますけれど」と古巣相手に空回りした投球に無念の表情を浮かべた。沢村にも「いつも頑張ってくれているので」と感謝したうえで、「やられることもあると思うんですけれど、フォーク(スプリット)の落ちが悪くて三振があまり取れていない。もう1回こっち(首脳陣)でチェックして、もっと良くなるようにやっていきたいと思います」。今試合前まで今季リーグ最少26本塁打のロッテだが、前夜の2発に続く3発。だが、巨人の4発を見上げるしかなかった。【鎌田直秀】