侍ジャパン前監督の栗山英樹氏(62)が7日、都内で講演を行った。「ドリーム・チームの創り方」をテーマに、3月のWBC優勝に至るまでの選手選考などを語った。

代表に選んだメンバーには、昨年末のクリスマスイブに自ら電話をかけ、代表入りを伝えたエピソードを披露した。NPBから所属球団に連絡するのが一般的だが、あえて、そうしたのは「選手の心のスイッチを入れる」ためだった。

「僕は自分が選ばれたとき、球団より(代表)監督から直接言われたい。それで、球団からと、僕から伝えるのと、タイミングを一緒にしてもらいました。クリスマスイブに19人」。 自らが選手だったらと想像し、選手のモチベーションを高めるための“直電”だった。

さらに、別の狙いもあった。

「僕の番号は誰も知らない。実は、選手の性格を把握するのもありました。普通、知らない番号はとらないじゃないですか。でも何人かとりました。それもピッチャー。誰とは言いませんが(笑い)。この子は、こういう子なんだと」。

チーム作りの時間は限られる。それぞれの機会をフルに生かしたかった。

「『突然ごめんね。クリスマスプレゼントになるか分からないけど、ジャパン頼むね』と。その時の(選手の)空気感。『待ってました』という選手もいれば、差し込まれた感じの選手もいました。『え、俺でいいんですか』と。でも、最初にお前が必要なんだと。形式的に伝えるより、必要なことかなと感じてます」と語った。