「2023年プロ野球ドラフト会議 supported byリポビタンD」が26日、都内で行われる。

西武の隅田知一郎投手(24)が振り返る。

「あー、もう、全部が初めてで。こんなに注目されることあるんだなって」

2年前。西日本工大の即戦力左腕として4球団が競合した。西武はいち早く「隅田1位」を公言し、飯田光男常務取締役球団本部長(57)が抽選に参加。見事に交渉権を獲得した。

昨年も、プロ2年目の今季序盤も、なかなか白星がつかずに苦しんだ。それが魔球チェンジアップの安定で中盤から一気に加速し、終わってみれば今季9勝と一気に飛躍。10勝目がかかった登板の直前に、飯田本部長が回想した。

「あの時、いろいろげんかつぎもやったね。家でもかみさんにいろいろ準備をしてもらって」

GMや監督を差し置いて、抽選の大役を任された。もともとは西武鉄道で長く働いてきた鉄道マン。15年からプロ野球の世界にやって来た。壇上で、ヤクルト高津監督らと並ぶ。

「なかなかないんでね、ああいうのは。他に3球団いたし、絶対当ててやるぞという。絶対引くっていう感じで。でも緊張はするよね。コロナ禍で会場にお客さんはいないんだけども、緊張して」

競合4球団の中で1番クジを引いた。もちろん、当たりも外れもまだ入っている。運次第。

「クジで大きくチームも変わるし、選手の野球人生も変わるし、その責任の重さはすごく感じたね」

「交渉権確定」とともに右腕を突き上げてから2年ほど。

「プロに入ってすぐうまくいくってことはないと思うけど、乗り越えてしっかりプロで活躍できる選手になってほしいって、去年1年ずっと思ってて」

それが今季9勝。

「花開いて、ほんっとに良かったなって」

ただの球団幹部とイチ選手。もちろん、他の選手たちと同様にフラットな目で見ているけれど、言葉から少しあふれてしまう。

「すっごいうれしい! いや、もう、くじ引きのこともあるし、まるで自分の子どものような感じもする。やっぱり、活躍してくれて、すっごいうれしいよね」

歓喜と涙と悔しさのドラフト会議。情感あふれるドラマが生まれる。【金子真仁】

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