巨人阿部慎之助新監督(44)が“必勝くじ”を引き当てた。「プロ野球ドラフト会議supported by リポビタンD」で母校の中大・西舘勇陽投手(4年=花巻東)を1位指名。日本ハムと2球団競合の末、新庄剛志監督(51)とのくじ引き対決を制して交渉権を獲得した。クイック投法を駆使する後輩右腕の守護神起用の可能性にも言及。新監督が最高の初仕事をやってのけた。
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えたいの知れない緊張感がこみ上げた。阿部監督が中大・西舘の交渉権をかけ、日本ハム新庄監督と並んで登壇した。抽選箱に残されたくじを右手で手中に収めた。新庄監督に「かっこいいスーツだな~って」と見とれつつも、開封時にくじを左胸に当てたまま動かない“陽動作戦”にも惑わされなかった。「なんか動いていないんだなと。こっちは早く、早く(くじを開こうと)と」。よしっ! と、こん身のガッツポーズを突き上げた。
百戦錬磨で現役時代を走りきったが、新人監督としては就任からまだ1カ月足らず。球団の運命を背負った大役に「ホッとしているというか、うれしさ半分、ホッとしている半分です。壇上に上がった時、下からズァーッと来る緊張感がありました」と初々しかった。自身の母校の後輩を指名し、さらに交渉権も獲得。喜びも格別で「今でも気にして結果などを見ている。本当によかったなと。その一言です」と笑った。
全投球でクイックを駆使する西舘の特徴的な投球術は起用の幅は広がる。150キロ超の直球にスプリット、カットボールを操る。奪三振率も高く「うちのウイークポイントの後ろというのを任せられる可能性もあるんじゃないかと。もちろん先発でもすごい成績を挙げていますけどね」と守護神抜てきの可能性を言及した。2年前のドラフト1位で入団した大勢と高いレベルでの競争は課題となっているブルペン強化にも直結する。
この日はドラフト会議前にジャイアンツ球場での秋季練習で“勝負勘”をよみがえらせた。練習後に室内練習場にこもり、打撃ケージで異例の打ち込みを敢行。「『競合になっても絶対に当たるから大丈夫』と自分に言い聞かせてね。頑張って、苦労して、苦労した右手で引けて良かったですね」と胸をなで下ろした。「球団を挙げて『発掘と育成』を掲げている」と育成ドラフトの最終指名まで会場内で見届け、初仕事を終えた。【為田聡史】



