阪神近本光司外野手(28)が、中押し打を含む3安打2打点の活躍で初戦白星発進に導いた。

1点を先制した直後の5回2死一、二塁。オリックス山本の甘い156キロ直球を見逃さず強振。打球は右中間をぶち破り快足を飛ばして一気に三塁へ。走者一掃の2点打でリードを拡大させた。

「先制してチームもいい雰囲気でしたし、自分自身もそのいい流れに乗ることができたと思います」

広島とのCSファイナルステージ3試合は通算11打数1安打2打点と本領を発揮できずにいた。「チームが勝てばなんでもいい。特に気にすることなく熱くいきたい」と前向きに挑み、宣言通りの熱いプレー完全復活を印象づけた。

近本はボールを最後まで見送らない。際どいコースを突かれても、捕手のミットに収まるまでボールを見届けることはない。「できるだけ判断が早い方がいい。(投手と打者の)真ん中くらいからストライクゾーンができているので」。投手のリリースポイントから中間の9メートル付近までの間に「打つ」か「見送る」かの判断を下す。「(ホーム付近まで)見る必要もないし、見たところでそこから打てるかというのがある」。岡田監督も過去に「打つポイント過ぎたら見る必要はない。ええバッターは大体そこで見切っとるよ」と話していた。プロでの経験を経て身につけた思考法で、難敵攻略につなげた。

4回先頭では遊撃への内野安打、9回にはセンター右への二塁打で猛打賞。サイクルヒットまであと本塁打のみ残す暴れっぷり。自身初の日本シリーズは最高の船出となった。【古財稜明】

 

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