日本球界のエースが「ラスト先発」に臨む。オリックス山本由伸投手(25)が、4日の日本シリーズ第6戦(京セラドーム大阪)に先発する。

第1戦では阪神打線に攻略され、まさかの自己ワーストタイ7失点で敗戦。チームも2勝3敗と王手をかけられ、2年連続の日本一へ負けられない大一番だ。今オフにポスティングシステムでのメジャー移籍が濃厚とされる右腕。虎を圧倒する快投で“有終の美”を飾れるか。

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大一番を翌日に控えた3日。山本は「明日」と3度も口にした。「本当に明日、勝つだけです」。11月とは思えないほど暖かい日差しを浴びたエースは、目の前の一戦だけしか見ていなかった。

逆転負けを喫した2日の第5戦ではベンチ入り。約5年ぶりの中継ぎ登板こそなかったが、ブルペン待機を続けていた。「明日の試合を勝つことだけ考えて、準備してます」。この日は舞洲の2軍施設で15球のブルペン投球を行うなど調整。「いつもと変わらないように。シーズン中の1試合と同じような感じで調整しました」。レギュラーシーズンで16勝を挙げたエース。「普段通り」が心強い。

チームのためにも、自分のためにも負けられない。今シリーズは10月28日の第1戦に先発。3年連続で初陣を任されたが、自己ワーストタイの7失点を喫して6回途中で降板した。「やっぱり大事な一戦になるので、しっかり体もですけど、心の部分も準備して、いい準備ができたらなと思います」。同18日のCSファイナルステージ・ロッテ戦でも7回5失点と苦戦。最後に、リーグ3連覇へ導いた本領を発揮する。

プロ7年目の25歳。前人未到の3年連続4冠を達成し、3年連続の沢村賞を受賞。今年は侍ジャパンの一員として世界一に貢献し、日本球界のエースであり続けた。そして今オフには、ポスティングシステムを使ってのメジャー挑戦が有力視される。このマウンドが日本での「ラスト先発」となるかもしれない。

勇姿を目に焼きつけたいファンも大勢駆けつけるはず。無双する舞台は整った。「全員で試合に向かっていければ。明日の試合までまだ時間があるので、準備して臨みたいです」。ラストマウンドを快投で飾る。【磯綾乃】

◆渡米直前のシリーズ登板 大リーグ挑戦の前年に日本シリーズで登板した投手は過去8人いる(長谷川滋利、吉井理人、石井一久、岡島秀樹、上原浩治、高橋尚成、田中将大、山口俊)。8人のうち上原と山口を除く6人は日本一を手土産に渡米した。渡米前のシリーズ最終登板で勝利投手になったのは01年石井(ヤクルト)だけ。石井は近鉄との<1>戦で8回を1安打、無失点、12奪三振の快投。13年田中(楽天)は巨人との<7>戦でセーブを挙げ胴上げ投手になった。

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