ヤクルトのドラフト2位、松本健吾投手(24=トヨタ自動車)が8日、“相棒”と入寮した。

埼玉・戸田市内の選手寮に入ったが、右手には折れたバットが握られていた。「これを使って、社会人時代にシャドーピッチングをして、すごく投球が良くなったので」。グリップエンドから長さ50センチほど。裂けた面は「危ないので」テーピングを施してある。

社会人1年目の6月だった。チームのキャプテンである北村選手の折れたバットを発見。「すごくいい重さと長さ。振ってみたら、いい感じでした」。なぜ、バットで振るのか。「普通、タオルとかでやると思うんですけど、バットなので、しなったりしない。ぴゅって速く振れる。細く、速く、腕を振りたかった」と説明した。

効果てきめんだった。折れたバットでシャドーを繰り返した。毎日、100回前後。試合中のイニング間にも振った。すると、最速が148キロから152キロにアップ。音で感覚のよしあしが分かるようになったという。「調子のバロメーターでもある。これからも続けていこうかなと思います」。見た目は「ちょっと汚い」と照れ笑いしたが、それだけ使い込んできた証拠。プロへの扉を開いた。

「開幕ローテーションに入りたいとうのはありますし、将来的にもチームのエースになりたい」と意気込む。速球でバットをへし折ることもありそうだ。「いい長さに折ろうと思います。折れたら」と笑顔で決意した。