久しぶりに阪神担当としてやってきた沖縄。名刺をたっぷり用意して、あいさつ回りをし始めたところで気付いた。球団スタッフの数がやけに多い。

「トレーナー」の肩書がついたスタッフが15人もいた。1軍が7人、2軍が8人。キャンプ、シーズンも当然この陣容。育成選手を多数抱えるソフトバンクと巨人を別にすると、DeNAに次ぐ最多のようだ。以前はコーチで登録されている人もいたが、それを含めても増えている。

肩書は同一でもトレーニング、治療、リハビリと大まかに3分野に分かれる。理学療法士もいれば、柔道整復師、鍼灸(しんきゅう)師の資格を持った人もいる。メジャーや他球団を知る人材も。チームのあらゆるニーズに応えるため、適材適所の陣を敷いている。

昨年、盤石の戦いぶりで18年ぶりの優勝を果たした。主力の入れ替わりはなく、Vメンバーそのままで今年を戦う。コーチ陣も新規に2人加わっただけで、役割分担は不動だ。

そして、それはトレーナー陣も同様だった。15人の顔ぶれ、1、2軍の配置、役割も昨年とまったく同じ。これだけの大所帯がスライドするのはめずらしいそうだ。彼らはそれぞれの持ち場で仕事を果たし、激闘を支えた。「全員続投」はその評価。ハワイ優勝旅行には2軍トレーナーたちも招かれた。

常勝軍団への軌道に乗り始めたと感じる。球団関係者は「数年前から編成と育成で勝つ、という方針が徹底されています」と説明した。「編成」は近年のドラフトの成功を見ればよく分かる。ドラフトがすべての基本で、FAはプラスアルファ。今の主力を見れば、説明の必要もない。

もう片方の「育成」。ドラフトで獲得した選手を球団一体となって計画的に育て上げる。そこに密接に関わるのがトレーナー陣だ。あらゆる角度、多彩な知見、そして物理的に多い「目」で手厚く選手の前進を後押しする。ここにアナリストも加わり、データを共有。故障を防ぎ、効率的な成長につなげていく。

新人が入寮した直後の1月8日。球団本部はトレーナー15人を集めて、ミーティングを行った。年に2~3回、キャンプ前とシーズン終了後に行う重要な会議だ。ルーキーを軌道に乗せるための最善策や全体の情報交換が共有された。一糸乱れぬ「育成の阪神」の根幹がそこにあった。

野球は変わり、野球界も変わっている。18年ぶりの優勝は「組織」としての勝利でもあった。この側面も忘れてはならない。【柏原誠】

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