突風打線がさく裂した。巨人が大逆転勝利でソフトバンクとの交流戦開幕カードの勝ち越しを決めた。5点差の劣勢を一挙6得点の一点突破ではね返した。3回に新外国人エリエ・ヘルナンデス外野手(29)が来日1号3ランを放ち1点差に迫ると、主砲の岡本和真内野手(27)の10号逆転2ランで勝負を決めた。深刻な得点力不足で5得点以上は3日阪神戦以来、21試合ぶり。新風ならぬ突風が吹き付け、突如として打線が目覚めた。
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エリーの突風が大逆転劇をもたらした。「エリーコール」を受けるヘルナンデスが来日初アーチを放った。5点奪われワンサイドゲームのムード漂う3回、1点返しなおも1死一、二塁で、フルカウントからソフトバンク東浜のシンカーを強振。左翼席中段へ運ぶ3ランは「シンカー一本に絞って振り抜きました」と“宝刀”を狙い打ち。高難易度の芸当で攻略した。
ファーストネームのエリエにちなみ愛称はエリー。手渡されたジャビット人形を戸惑いながら、ベンチ横からスタンドへ投げ込んだ。吹き込んだ勢いは新風どころか突風のごとく後続の追い風になった。次打者吉川が右翼線二塁打で出ると、4番岡本和の出ばやしは「いとしのエリー」ではなく「栄光の男」。2球続けたカーブを見逃さず仕留め、3試合ぶりの主砲の1発は7年連続2桁の10号逆転2ランとなった。
ヘルナンデスは来日してまだ半月。すでに電車を使って球場に通い、その風景に驚きもある。乗車する前、下車する人が列をつくって扉の横で待つ姿に「規律にビックリ。(母国ドミニカ共和国では)あり得ないですね」。生活にも順応し、食事にも「ありがたいことにおいしく食べられている」と笑顔。グラウンドでは日本野球を聞いて回り熱心に研究する姿にチーム内でもエリーと親しまれ「自分もそう呼んでもらってうれしい」と歓迎した。
5点差の大逆転は今季初で、交流戦カード勝ち越しスタート。阿部監督も突風の勢いに「台風も近づいていることですし」と勢いそのまま北上し、次カード西武3連戦のベルーナドームに上陸する。【栗田成芳】
▼巨人が0-5の3回に本塁打などで6点を挙げ逆転勝ち。巨人の5点差以上の逆転勝ちは23年5月3日のヤクルト戦(0-6→8-7)以来。交流戦では08年5月20日のロッテ戦(2-8→12-11)以来、球団2度目。



