中日松木平優太投手(21)はデビュー戦を勝利で飾ることはできなかった。8日、高卒4年目で初めて支配下選手登録。プロ初登板初先発は7回100球を投げ、8安打3失点。5回以降は無安打に抑えて昨季の最多勝左腕・東相手に粘投を見せたが初黒星を喫した。
初回3者凡退で立ち上がった。しかし2回、宮崎、佐野、山本に3連打を許して先制点を献上。3回はオースティンにカットボールを右中間席に運ばれた。4回にも3連打で3点目を失う。その後は踏ん張ったが、DeNA打線を完全に抑え込むことはできなかった。
「絶対勝つという強い気持ちでマウンドに上がった。先に点を取られて負けている。悔しい思いはあります」。7回3失点デビューに負けん気をむき出しにした。立浪和義監督(54)は「3点は取られましたけど、7回までしっかり投げてくれた。当然、もう1回、チャンスをあげたい」と合格点を与えた。
大阪・精華高から育成ドラフト3位で入団。4年目の今季、ウエスタン・リーグで9勝をマークして支配下契約を勝ち取った。「おばあちゃんに恩返しするために頑張りたい」。インドネシア人の父と日本人の母の間に生まれた。幼少期に両親が離婚。母の実家がある大阪の祖父母のもとで暮らし始めた。だが、母は病魔に見舞われ小学2年生のときに他界。祖父が高校のときに亡くなると、祖母の栄子さんが食事の世話からユニホームの洗濯まで、すべて世話をしてくれた。
支配下契約が決まった際、真っ先に報告したのが祖母だった。「おめでとう、と泣きながら言ってくれました」。85歳になった栄子さんは今、関東圏の施設で暮らしている。プロ初登板を勝利で飾ることはできなかったが、堂々の7回100球投球。「負けちゃったけど、これから上を目指して頑張るねと言いたいです」。恩返しの第1歩は確かに記した。



