お兄ちゃんも勝ったぞ! オリックスが逆転サヨナラ勝ちで5連勝を飾り、4月29日以来の勝率5割に復帰した。1点を追う9回、押し出し死球と頓宮裕真捕手(27)の犠飛で試合を決めた。勝利投手は9回1イニングを完全投球した吉田輝星投手(23)。自身と同じ金足農のエースに成長した弟の大輝(2年)が秋田大会で熱投した日、大阪で兄の威厳を示した。チームは負ければ再び自力Vが消滅していた一戦で、最大9あった借金をついに返済。パ3連覇中の王者が勢いづいてきた。

   ◇   ◇   ◇

故郷・秋田の歓喜は、京セラドーム大阪につながっていた。弟大輝ら後輩が強敵・ノースアジア大明桜を倒した日。大阪では兄輝星がドラマを呼んだ。オリックスが今季5度目のサヨナラ勝ちで5割に復帰した。

「1位のソフトバンクに2連勝できたことが大きい。普段あまり打たれない古田島さんが打たれた。ソフトバンクのリリーフ陣もすごく強いですけど、普段起こらないことがこっちにも起こるかもしれないと期待して、絶対に3人で抑えたいと思っていました」

2-3の9回表、3番手で登板。8回に勝ち越し弾を浴びた失意の古田島の後を受けた。強力なソフトバンク打線を相手に7回2失点と粘った宮城、そして古田島の悔しさも脳裏に刻み、投球の出力に変えた。

先頭の代打・川瀬の投ゴロは三塁寄りに転がった。一瞬足を滑らせながらも、しっかり一塁に送球。2死からはこの日猛打賞の今宮を二塁ゴロに仕留めた。1イニングを3者凡退で終え、流れを引き寄せた。

「今月、個人的な課題にしているんですけど、三振を取るというイメージだと、逆転につながりやすいかな、と。とりあえず3人でテンポ良く終われたんで、チャンスは来るかもしれないという気持ちで見ていました」

願い通り、チームは劇勝。吉田に今季2勝目が転がり込んだ。

18年夏の甲子園準優勝から6年。全力プレー、全力投球で「カナノウ旋風」を巻き起こした立役者はこの日、弟の朗報に胸を弾ませた。「同級生がコーチをやっていて、すごく連絡が来る。弟もいますし、すごく刺激になったと思います」と母校に感謝した。

メモリアルな夜にヒーローになってしまう吉田は、やはり“持っている”男。強い星のもとに生まれた男だった。【堀まどか】

▼中嶋監督(赤土のついたユニホーム姿で現れ)「頓宮の土、ついた(笑い)。(ここから積み重ねか?)そうですね。そう思います。またあさってから、しっかりやっていきたいと思います」

【動画】最後にドラマが待っていた…オリックス劇的サヨナラで逆襲の5連勝!頓宮裕真がV犠打