4年ぶりのVは「世界一のチーム」への序章-。ソフトバンク三笠杉彦取締役GM(50)が福岡移転35周年の記念イヤーに日刊スポーツの独占取材に応じた。
コロナ禍を乗り越え、連日満員御礼の本拠地。九州に根付いたチームとして10度目のリーグ制覇を達成し、強いホークスを取り戻した。近未来に訪れる可能性があるメジャー球団との世界一決定戦への思いは…。フロントのトップが展望を語った。
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-24年はソフトバンクが福岡移転しての35周年。連日の満員御礼で九州に根付いた球団になった
三笠GM 35年が経ったということで連日の大盛況は本当にありがたいなと思います。直近でいうと、コロナの頃はとても大変でした。去年も途中まではやや制限があったんですが、今年はフルシーズンで制限なくやれて、たくさんのお客さんが見に来てくれたのでとても感慨深いです。
-今年は福岡移転後、10度目のリーグ優勝になった。福岡で常勝軍団を築いた
三笠GM ダイエー時代に常勝の礎を築いた根本陸夫元監督の本を読んでも、やはりホークスが強くなったのは根本さんの功績が大きいなと。根本さんが王監督を招聘(しょうへい)して、99年に初の日本一。そこから強いホークスが始まったという認識をしています。日本のスポーツエンターテインメントビジネスの中でもものすごく大きな出来事でした。福岡移転35周年とほぼイコールでパ・リーグの発展も著しいなと思います。
-記念イヤーで小久保ホークスがリーグ優勝
三笠GM 今年はベテラン、中堅、若手が融合して勝つ理想的なシーズンだったと思います。フロントとしても大変素晴らしい戦いをしていただいたと思います。小久保監督を中心に首脳陣がブレない戦い方を1年間を通してやってくれました。小久保監督はよく「戦い方を決めるのが自分の仕事だ」という言葉を口にしていました。
-小久保監督の言う「戦い方」とは
三笠GM 今日勝ったから、負けたらから戦い方を変えるということでありません。今の陣容だとこの戦い方でしばらくやっていこうとか、うまくいかない状況が続けば、またある一定期間で新たな戦い方を見つけるということ。年間を通しての戦い方を遂行していくということです。それは小久保監督とコーチ陣がしっかり話して、1年間、隙のないブレない戦い方をする。それが監督コーチの仕事だという風にご認識されてやってくれました。その結果、戦う選手は自分の仕事をしっかりやることに集中できて、いい循環になったということだと思います。
-今年は育成選手から8人が支配下昇格した
三笠GM 1軍でも活躍が光りますし「育成のホークス」を再び取り戻すことができたなという認識です。ただ、我々は4軍制を敷いているから勝てたという認識ではありません。今年に関しては本格的にコーディネーター制を組み、コーディネーターと監督コーチの役割を整理しました。データサイエンスやメディカルも含めて人員を増やしました。さまざまなことを始めたばかりなのでうまくいっていないこともありますが、取り組んできたことが正解につながっている部分もあると思います。
-今後は球団の理想「世界一のチーム」に向かって進みたい
三笠GM その通りです。それは孫オーナーが考えていらっしゃること。今年のキャンプイン直前に、小久保監督が近未来に訪れるかもしれないメジャー球団との世界一決定戦に向けて理想的なチームを作ろうという話をしました。球団としては2つやらないといけないことがあります。1つは「世界一決定戦への道筋を作ること」。2つ目は「世界一決定戦があったら、日本代表としてはホークスに出場させたい」と思われる球団を作ることです。球団の掲げる理想のなかで小久保監督にも共鳴していただいたということ。リーグ優勝を果たし、今後も「世界一のチーム」に向かってフロントもバックアップしていきたいと思います。
◆三笠杉彦(みかさ・すぎひこ) 1974年(昭49)3月27日、岩手県釜石市出身。釜石南でラグビーを始め、東大でもプレー。ポジションはセンターで06年から同大学の監督も務めた。97年に日本テレコム(現ソフトバンク)に入社。08年から福岡ソフトバンクホークスの球団事業に携わり19年からGMを務める。



