広島野村祐輔投手(35)が、最後のマウンドで21球を投げきった。デビューした12年4月1日中日戦から211試合連続先発登板。先頭長岡にフルカウントから中前打を浴びるも、続く並木を再びフルカウントから二ゴロに打ち取った。わずかに外れて球数は要したものの、プロ野球界を生き抜いたスタイルを貫いた。丸山和はチェンジアップで空振り三振を奪い、村上も直球で追い込み、チェンジアップで空を切らせた。
マウンド付近にチームメートが集まり、ヤクルト田口から花束も贈呈された。大きな拍手を受けながら、マウンドを降りた右腕は「いつもと違う雰囲気の中でマウンドに立たせてもらって、初めての感覚でしたしすごく感動しました。たくさんの方々に支えてもらって今日まで投げることができて本当にうれしく思いますし、感謝の気持ちでいっぱいです」と汗を拭った。
明大からドラフト1位で入団した1年目、防御率1点台をマークして新人王を獲得した。翌13年には初の2桁勝利となる12勝をマーク。16年には最多勝、最高勝率を獲得するなどリーグ優勝に貢献した。その後も3連覇したチームで先発の一角を担った。球の切れと制球力を武器としたが、球界全体の高速化が進む中で登板数を減らした。「なかなか自分の思い通りにいかず、苦しい思いをたくさんして来た。後輩たちと一緒に頑張りながらやってきたのですが、そろそろかなと」。度重なるケガもあり、フォームの再現性が求める水準まで上がらず、9月24日に引退を決断した。広島一筋13年、先発一筋13年。一途を貫いた右腕がマウンドを去る。【前原淳】
◆野村祐輔(のむら・ゆうすけ)1989年(平元)6月24日生まれ、岡山県出身。広陵では甲子園に3年春夏と連続出場し、夏は準優勝。明大を経て11年ドラフト1位で広島入り。1年目の12年に9勝を挙げ新人王。16年には16勝3敗で最多勝と最優秀勝率に輝く。その後も先発投手陣の柱としてセ・リーグ3連覇の立役者となった。177センチ、85キロ。右投げ右打ち。



