限界まで腕を振り抜いた。ロッテ美馬学投手(39)が、ファンと仲間たちに見守られながら、引退登板のマウンドに立った。対戦相手は楽天時代の元チームメート、浅村。初球から140キロの速球でストライクを奪いあっという間に2ストライクを奪ったが、2-2からの1球は浅村の背後を抜ける暴投。さらにフルカウントからの球も背中の後ろを通過した。それでも浅村はバットを振り、空振り三振。美馬は苦しそうな表情を浮かべながらも、6球を全力で投げ切った。「3球目で肘が飛んでしまって。アサ(浅村)にすごい迷惑かけてしまったんで、申し訳なかったなと思います。本当に最後、限界だったのかなと思うんで、そこまでできたのが本当に幸せだった」とかみしめた。
“優しい”。人柄を問われると、誰もがそう答える。だが本人は「全然そんなことないですよ」と照れ笑いを見せる。「母は人が集まるような人で、人のために生きる人でした。それを見て育ったからか、自然と自分もそう考えるようになったのかもしれません」と、静かに振り返った。
多くのファンが球場に詰めかけ、その厚い人望を象徴するかのように、登板後の拍手は止むことなく続いた。「自分としては、本当に投げられなくなるまでやれたと思います」。15年間のプロ野球人生が幕を閉じた。【星夏穂】



