11年越しのリベンジへ-。阪神岩崎優投手(34)、岩貞祐太投手(34)、梅野隆太郎捕手(34)が惨敗した14年日本シリーズから得た教訓を明かした。13年ドラフト同期の3人は、新人年ながらそろって当時の日本シリーズでメンバー入り。同年は初戦で勝利するも、第2戦から4連敗で敗退した。ひとつの出来事で流れが変わる短期決戦。25日から敵地で始まるソフトバンクとの戦いに向け、当時を踏まえた戦い方を語った。【取材・構成=波部俊之介】
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岩崎は11年前の記憶をたどり、当時感じ取った学びを明かした。
「ある出来事で流れがガラッと変わったりしてしまうのかなというのは、当時思いましたね」
セ・リーグ2位から下克上を目指した14年。梅野、岩貞らとともに、当時はルーキーイヤーながら日本シリーズの出場選手メンバーに入った。CSファーストステージから5勝1分けの負けなしで勝ち上がり、迎えたソフトバンクとの頂上決戦。甲子園での初戦は勢いそのままに勝利した。だが、2戦目に落とし穴があった。
岩崎 2戦目で勢いを止められた。カーブが打てなかったのかな。そしたら他のピッチャーとかもカーブを使いだして、勢いを止められてしまった。
第2戦に先発したソフトバンク武田翔太のカーブなどに手玉に取られ、「1-2」での惜敗。流れを変えられ、そのまま4連敗で日本一を明け渡した。ひとつのキッカケで戦況がガラッと変わる短期決戦。1年目から突きつけられた教訓だった。「凡事徹底じゃないけど、そういうことが大事。1つの気が抜けたプレーとかミスで一気にシリーズ全体が変わってしまうこともある」。大切なのはスキを見せないことだ。
岩貞も、もちろん当時のことは覚えている。当時のブルペン陣には現役時代の安藤投手チーフコーチや福原忍らが控えていた中、リリーフとして待機。ベテラン投手たちに、必死で食らいついた記憶がある。
岩貞 ベテランの方々ばっかりだったので、ついていくのに必死で。でも、ホークスがめちゃくちゃ強かったのは覚えています。
今では、ポストシーズンも何度も経験。日本一となった23年も日本シリーズで登板した。「(今年は)もう、うちはチームの形もできあがっていますし、普段通り。それは多分、出ている子たちが一番分かっていると思う。普通にやるというところですかね」。シーズン通りの野球を心がけ、泰然自若で頂点を目指す。
3選手の中で唯一、出場したのが梅野だ。第2戦の9回にマスクをかぶり、1イニング無失点に導いた。特に福岡出身の梅野にとって、みずほペイペイドームは幼い頃から通った球場。思い出の地で、11年ぶりリベンジへの気持ちも強い。
梅野 14年は日本一を取られた。そういう雪辱を(晴らしたい)。この時代にまた勝って、日本一を取って喜びたい。そういう気持ちで乗り込みたいです。
11年越しの思いを胸に戦う日本シリーズ。ベテラン陣が、ルーキーイヤーのリベンジを果たす。
<2014年の日本シリーズ 阪神-ソフトバンク(ソフト)>
【第1戦】○阪神6-2ソフト(10月25日・甲子園)先発はメッセンジャー、スタンリッジ。阪神は4回1死二塁からゴメスの適時打で先制した。5回2死満塁から、ゴメスらの3連打で5点を加点。メッセンジャーは7回2失点と好投し、CS5連勝の勢いで押し切った。
【第2戦】●阪神1-2ソフト(10月26日・甲子園)先発は能見、ソフトが武田。ソフトは初回内川に適時打で先制すると4回に李のソロ本塁打で加点した。武田はカーブを武器に7回西岡の適時二塁打での1失点。五十嵐、サファテのリレーで逃げ切った。9回守備から梅野が日本シリーズ初出場。
【第3戦】●阪神1-5ソフト(10月28日・ヤフオクドーム)先発は藤浪。藤浪は初回内川に先制打を許すなど6回途中3失点でKOされた。阪神は9回に鳥谷の適時打で1点を返すだけに終わった。
【第4戦】●阪神2-5ソフト(10月29日・ヤフオクドーム)先発は岩田。ソフトが初回に2点を先制したが、阪神は3回にマートンの犠飛、福留の適時打で振り出しに。延長10回2死一、二塁で阪神4番手呉が中村にサヨナラ3ランを被弾。
【第5戦】●阪神0-1ソフト(10月30日・ヤフオクドーム)後がない阪神はメッセンジャーが中4日で先発。7回まで無失点と粘投したが、8回2死一、三塁で松田に先制適時打を許しKOされた。阪神打線は4継投の前に散発5安打と沈黙。先勝から4連敗で日本一を逃した。



