ソフトバンク上沢直之投手(32)が9回1死まで無安打投球を続けた。ノーヒットノーランまで残り2人だったが、9回1死でオリックス西川に中前打を打たれ、記録達成はならなかった。

今季は、広島栗林良吏投手(29)が3月29日の中日戦で7回までパーフェクト。8回先頭で細川に中前打を打たれたが、後続を抑えた。許した走者は、その1安打による1人だけという“準完全”だった。プロ初先発で「何年も先発している投手だったら、ガックリ来るところだったかもしれないですけど、僕は初登板。そこに対する思いは別になかったので。ただ“ノーアウトの走者を出しちゃった”という気持ちだけでした」。

「惜しい」と言えば、西武西口文也(現監督)だ。

◆02年8月26日ロッテ戦 7回の福浦への四球だけでノーヒット。9回2死から1番小坂の打球は二塁後方、右中間の前にポトリと落ちるヒットに。「ちょっと悔しいけど僕にはまだ早い」。

◆05年5月13日巨人戦 2回の清原への死球だけで再び9回2死までノーヒット。しかし1番清水に本塁打を浴びてまたも快挙ならず。“あと1人”から本塁打されるのは初のケースだったが「あれだけ完璧に打たれて、すがすがしかった」。

◆05年8月27日楽天戦 9回まで1人の走者も出さない完全投球に抑えるも、打線の援護なく0-0のまま延長戦に突入。10回に先頭の沖原に右前安打を許し、三たび28人目の打者に初安打されて快挙を逃すことに。チームは10回裏にサヨナラ勝ちを決め「まぁ、チームが勝ったんで。ボクには縁がないんでしょう」。

この日の上沢よりも「惜しい」と言える、あと1人でノーヒットノーランを逃したケースは他にもある。

吉見祐治(横浜)は、04年10月14日の広島戦で、9回2死から福地に左中間へエンタイトル二塁打を打たれた。「打たれた自分が悪い。きっちり打たれたんで納得してる」。後続を断ち、1安打完封勝利だった。

多田野数人(日本ハム)は、09年7月10日のロッテ戦で、9回2死から大松に右前打を打たれた。後続を抑え、完封勝利に「それまで四球を出していたし、安打も四球も一緒。ゼロで抑えられたのはうれしい」。

古谷拓哉(ロッテ)は、13年6月26日のオリックス戦で、9回2死から坂口に三塁打を打たれた。「期待させてすみませんでした」。1安打完封勝利なのに、ファンに謝罪した。

球史をひもとくと、別所毅彦(52年巨人)、梶本隆夫(59年阪急)、バッキー(63年阪神)、小山正明(65年東京)、安仁屋宗八(66年広島)ら往年の名投手も9回2死から打たれ、ノーヒットノーランを逃している。