ロッテ角中勝也外野手(39)が今季限りで現役を引退することが19日、分かった。数日前に、球団に意思を伝えた。独立リーグ出身で首位打者に2度、最多安打に1度、輝いた希代のバットマンがユニホームを脱ぐ。19日は出場機会がなく、ネクスト・バッタースボックスで試合終了を見届けた。20日のソフトバンク戦(ZOZOマリン)で、自らファンに報告する。
◇ ◇ ◇ ◇
「恥ずかしい、が勝っちゃいました」。角中は言った。「自分もクビって言われるまでやるって思ってたんですけど、さすがに見苦しいなって」。2打席連続空振り三振に終わった11日のオリックス戦後に、自分の中で決めた。翌日には球団に「真剣にやる野球はやめます。12球団でやる気持ちはありません」と引退の意思を伝えた。
肉体は39歳という年齢にしては元気だ。ただ、見過ごせない変化を感じていた。「振りにいかないとバットが出ていかなくなってしまったんです」。今までは投手の球に無意識に反応できたのが、できなくなった。「衰えたなっていうのがあった。自分の持ってるものじゃ、衰えたままだと、今のレベルの高い1軍じゃ通用しない」。打撃の境地を見た男だからこその感覚。「この先、ヒットを打つことはあるかもしれないけど、“打てた”のであって、自分で打ったっていう感覚は一生ないだろうなって…」。
気持ちの変化もあった。「去年ぐらいから、野球が楽しいなって感じになったんです。それは、オレは違うなって思った」。野球が好きだとか楽しいだとか感じたことはなかったのが、変わった。「そう思うのは、引退が近いからなのかなって思ってました」。
それでも、ずっと全力で取り組んできた。今季もファームで牙を研いでいた。1軍に上がったら代打起用になることを見据え1打席勝負の日々。「全力で、死ぬ気でやってました」。だから後悔はない。
家族やお世話になった人たちへの報告は済ませた。20日のソフトバンク戦には、小学校2年生の息子が在籍する少年野球のチームから、約80人が観戦に来ることになっている。「半分、自分の息子みたいに思ってる」と、かわいがる選手たちの前で、ファンに報告する。「やめるけど、草野球とかはすると思いますよ」。子どもたちと楽しめる野球が待っている。
◆角中勝也(かくなか・かつや)1987年(昭62)5月25日生まれ、石川県出身。日本航空二から四国IL高知を経て06年大学・社会人ドラフト7巡目でロッテ入団。07年7月24日ソフトバンク戦でプロ初出場。12、16年に首位打者とベストナイン。12、15、16年球宴出場。16年オフに背番号を61から3へ変更した。13年WBCで日本代表入り。独立リーグ出身として最初の安打、本塁打を放ち、初めてのタイトルも獲得。代表入りを果たした初めての選手にもなるなど、道を切り開いた。180センチ、85キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸6000万円。



