西武柘植世那捕手(29)は22日、遠征先の仙台で甲子園決勝を映像で眺めた。準優勝した健大高崎(群馬)のOBだ。
「優勝できなかったですけど、いい試合でしたね。ここまで勝ち上がってすごいですし、本当にお疲れさまでした…そんな気持ちですね」
ナイター楽天戦に備えたグラウンドで、後輩たちをそうねぎらった。野球部同期の小谷魁星氏は今、野球部のコーチを務める。何かと精神的な接点はある。
同校は好捕手を定期的に輩出することで知られる。阪神長坂拳弥捕手(32)に柘植、西武是沢涼輔捕手(26)、さらには広島清水叶人捕手(22)と現役プロだけでも4人の捕手がいて、OBの箱山遥人捕手(20=トヨタ自動車)らもプロ入りを目指している。
彼らは皆「木村コーチの指導が大きいと思います」とする。帝京(東京)時代に芝草宇宙投手とバッテリーを組んで甲子園をわかせた木村氏は、17年から健大高崎でバッテリー部門を指導。基礎練習はもちろん「捕手は『どれだけ大人や周囲としゃべれるか』も成長できるかのカギですね」と秘けつを話し、そういった能力開発にも熱心に取り組む。木村氏自身、高校時代は芝草氏から「やる気分にさせてくれる捕手だよね」と感謝されていたという。
好捕手が育ちやすい土壌で柘植は鍛え抜かれ、テレビ画面で見た柘植に憧れて是沢が三重から群馬へ越境入学した。是沢はレギュラーを取れなくてもくさらずに努力し続け、大学でも控えだったのにまさかのプロ野球選手に。ついには支配下選手になった。その姿勢を書いた日刊スポーツの記事は、今でも同校野球部のトイレに貼ってある。
甲子園準V捕手となった大岩翔斗捕手(3年)のことも、柘植も是沢も画面を通じて気にしていた。2人は今やライバル同士。土壌や文化は脈々と受け継がれ、現役世代の活躍はその価値をさらに高める。【金子真仁】



