巨人が終盤の逆転劇でカード2連勝、対ヤクルト戦4連勝を飾り、首位阪神に1・5ゲーム差に迫った。同点の9回に甲斐拓也捕手(33)が今季初安打となる決勝の1号ソロを放ち、チームに劇的逆転勝利をもたらした。

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「野球している以上どこでもやらないといけない」。興奮冷めやらぬ甲斐は、試合後のグラウンドで語気を強めた。侍ジャパンの正捕手も、日本一も経験し、球界NO・1の扇の要として巨人に加入して2年目。春季キャンプは1軍完走しながら、開幕直前に2軍落ち。4カ月間を、立身出世を期す若手に囲まれて過ごした。

かつて自身もそうだった。ソフトバンクには10年に育成6位で入団した。その年の新人11人の最下位からプロ人生は始まった。成り上がり、巨人に5年15億円(推定)でFA移籍するまでになった。

不遇の2軍暮らしではあっただろう。「いろいろな思いはもちろんあります」と心境を明かした。同時に「僕もまだまだですよ。いろいろ学びながらやっていかないといけない。1個1個、課題をクリアしないと」と向き合う。その姿勢は野球を始めた頃から変わらないだろう。

思えば少年時代の野球チームのユニホームは、オレンジが基調だった。巨人と同じだ。さらに主将がつける背番号「10」は、いまと同じだ。「違和感ないよなあ」。母子でそんな会話をしたこともあった。

いまその新たな勝負服で、新たな日本一を目指す。「そこに向かって今、突っ走るだけだと思います」。苦難を知り尽くし、はい上がってきた甲斐の1発が、その大きな追い風となる。【阿部健吾】