来年3月の第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表を率いる原辰徳監督(50)の背番号が「83」に決まった。巨人監督第1次政権時の02年から2年間背負い、いきなり日本一となったゲンのいい番号。サムライジャパンの大将は、お気に入りの“戦闘服”をまとい世界一への戦いに挑む。

 WBCでの背番号を問われた原監督が、おもむろに切り出した。

 原監督

 私の背番号は…「83」にします。理由?

 好んでいる数字、好きな数字ということです。

 巨人では現在「88」を背負い指揮を執っている。だが「切り替え、という部分。しっかり戦いたい」とサムライジャパンでの継続しての着用を避けた。監督就任初年度の02年に背負い、いきなり日本一となった愛着ある番号の「83」で勝負することになった。

 原監督の苦楽がぎっしりと詰まっている番号だ。01年オフ、当時43歳で監督に就任。自身が現役時代つけた「8」と長嶋茂雄の代名詞「3」を足し、青年監督はスタートを切った。02年は日本一。だが、頂点を極めた翌03年は3位。騒動の末、悔しさをしまって監督を辞任した。6年の時を経て回ってきた日本代表監督という大役。「83」を背負うことに迷いはなかった。

 背番号は野球人の顔、という持論がある。責任感や危機感を与える狙いで、巨人では積極的に選手の背番号を替える。2年前は高橋尚、木佐貫らの復活に成功。今オフもブレークした坂本に「6」、越智には「22」を与えた。あえて重い数字を背中に課し、力に変える。WBC監督の重責を果たすため、指揮官自身が「83」を選んだのも当然といえる。巨人で日本一となった「83」に、サムライジャパンで世界一という新たな重みを加えるつもりだ。【宮下敬至】