<ヤクルト2-1阪神>◇7日◇神宮

 突然の出番に、悪コンディション。ぬかるんだマウンドで、ヤクルト木田優夫投手(40)が丁寧に足場を慣らした。1点差で迎えた8回表、先発の石川が崩れ、1死一、二塁のピンチを招いていた。降りしきる雨は、強くなっていた。過酷な環境が、頼れるベテランの“職場”だった。

 強気な内角の速球で関本を三ゴロに打ち取ると、続く鳥谷はフォークで二ゴロ。「狙い通りといえば狙い通りだけど、鳥谷は初球を打ってくれて助かりました。歩かせて満塁で金本も嫌だったし」と冷静に振り返った。クラブハウス前で高田監督とバッタリ顔を合わせ、ガッチリと握手。「あそこは木田しかいませんよ。いい仕事をしてくれるね」と指揮官の信頼をさらに深めさせた。

 先発石川をリリーフで助けたのがベテラン右腕なら、守りでバックアップしたのもベテラン野手の宮本慎也内野手(38)だった。6回1死三塁からの遊ゴロをキャッチすると、若干飛び出していた三塁走者の赤星の動きを見逃さない。体を三塁側にひねりながら流れるような動作で送球し、三塁でタッチアウト。「打球を捕って、ランナー見たら飛び出していたから投げただけ。長年、やってきたことですから」とサラリとコメント。5回1死、三遊間を抜けそうな打球も、雨で滑るグラウンドを計算に入れてスライディングしながら逆シングルでキャッチし、2度のファインプレーを見せた。「素晴らしいプレー。さすが名手ですね」と高田監督も絶賛した。

 メジャーをあきらめ、日本でプレーしようとしていた木田を、最初にヤクルトに誘ったのが宮本だった。木田の意志を確認し、当時監督だった古田監督に話し、木田の獲得が決まった。そんなベテランコンビが、1点差の苦しい試合展開だったチームを救った。今年、木田が41歳で宮本が39歳。2人で80歳になる“おじさん”が、チームを引っ張っている。【小島信行】

 [2009年5月8日9時5分

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