日本ハム中田翔内野手(20)が、「超フル出場」で外野手デビューする。8日、沖縄・名護で行われる今キャンプ初の紅白戦に、外野手として実戦に初出場する。すべてがアピールの場となるだけに、1球1球が首脳陣のチェック対象となることはもちろん、ベンチでは先輩外野陣の動きを目で追って学ぶことも課された。目指すレギュラー取りへ、1秒たりとも気が抜けない1日になる。

 約3時間、1度もすきを見せることはできない。外野のレギュラー奪取を狙う中田にとって、8日の紅白戦は、すべてが大事な一瞬になる。「1つ1つ(のプレー)が自分のためになりますね。緊張というのはないです。清水さん(外野守備走塁コーチ)に教えてもらったことを出すだけ。楽しみですよ」。この日も志願してクッションボールの処理練習を行うなど、外野手として踏み出す第1歩に備えた。

 首脳陣の目は常に光っている。梨田監督は「(打者の)インパクトの瞬間の動き方を見たい。それにどれだけ反応できているか」と強調した。1球1球に対して守備位置でどのような動きを見せているか、ベンチから絶えずチェックが入る。たとえ打球が飛んでこないときでも、気を緩めることはできない。

 「実技」だけでなく、「座学」でも気は抜けない。清水コーチは「うまい人を見て学ぶのは大切。ウチのチームの外野手は勉強になる」と言った。攻撃側としてベンチに座っているときは、昨年ゴールデングラブ賞を受賞した稲葉や糸井のほか、守備範囲の広い紺田、村田など、12球団トップレベルの外野陣を目で追って学ぶことも課された。

 与えられる課題の多い守備面だが、打撃面では高い評価を得ている。指揮官は「打撃は少しずつ兆しが出てきた。結果が出そうな期待感を持たせてくれている」と絶賛。タイミングの取り方を少し早めたことで「受け身ではなく、攻撃的な感じ」(同監督)に変化も遂げている。中田自身も「調子はいいです。フォームが固まりつつあるし、これを続けていきたい」と手応えを感じている。自慢の打撃と、挑戦中の守備、そしてベンチでの勉強。すべてが大事な「超フル出場」で、中田が今季初戦に臨む。【本間翼】

 [2010年2月8日9時45分

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