巨人金刃憲人投手(25)が25日、阿部直伝の魔球ナックルを解禁した。ブルペンでの立ち投げの途中、人さし指と中指のつめをボールに当てて握った。左腕を振り抜くと、グラグラと揺れながらミットに収まった。「あんなに落ちるとは思わなかった。びっくりしました」。投げた本人も、予期せぬ軌道に驚いた。

 魔球習得の始まりは主将の一声だった。キャッチボール中、阿部がナックルでボールを返球してきた。金刃も「遊び心」で試投。予想以上に手になじんだ。キャッチボールで感触を染み込ませ、初めてブルペンでベールを脱いだ。「余裕のある場面で1度試してみたいですね」と習得に意欲を見せた。

 阿部は「左投手でそういう発想はないと思う。(試合で)使えたら面白いですよね」と期待する。投球の軸は直球だが、投球の幅を広げるためにカットボール、パームと新球習得に取り組んできた。「できることは貪欲(どんよく)にやっていきたい」。魔球がポスト山口への秘策になるかもしれない。【久保賢吾】

 [2010年2月26日8時22分

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