<オリックス10-8ソフトバンク>◇14日◇京セラドーム大阪

 オリックスの通算101死球男、グレッグ・ラロッカ内野手(37)が執念の「骨折弾」をぶっ放した。両軍で28安打18得点という乱打戦。序盤のヒーローはこの男だった。4点リードを失った直後の3回、左翼へ4号2ラン。「しっかりスイングすることを考えた。打撃練習から大きな影響はないと思ったよ」。右手小指が折れたままでハイタッチも左手だった。

 10日楽天戦で死球を受け、13日の再検査で骨折が発覚。首脳陣は午後3時の出場選手登録抹消手続きの締め切り寸前まで打撃を見守り、GOサインを出した。「腫れはあるが大丈夫。ノーモアデッドボール。100個で十分だ」。患部を金属プレートで覆い、打撃手袋の上から衝撃吸収パッドをつけて打席に立った。

 9日に生まれた長女クローイちゃんにささげる初アーチ。15日にはアマンダ夫人と愛娘が退院する予定で「勇気をくれる」と笑った。ラロッカの折れない闘争心が、チームの連敗を3でストップさせた。【押谷謙爾】

 [2010年4月15日9時2分

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