楽天田中将大投手(21)が「高速縦カーブ」の本格マスターに乗り出した。ロッテ戦が雨天中止となった22日、Kスタ宮城室内練習場で約50球のブルペン投球。うち7球は、落差がカーブと同等、スピードがスライダーとカーブの中間という、新たな球種だった。「前日に佐藤コーチと『やってみては』という話が出た。キャッチボールでいい感じだったのでブルペンでも試してみました」と経緯を説明した。

 佐藤投手コーチが現役時代「ヨシボール」と命名して駆使した、縦に落ちる魔球。親指と人さし指でボールを挟み、スピンをかけず抜く。腕の振りが強い投手ほど抜けが大きく、比例し落差も出る。縦割れのカーブはかつてドロップと呼ばれ、現在では西武岸が使い手だが、球速100キロ台。田中は「緩いカーブは持ってるので。新たな球種とは少し違うと思いますが、目先が変わり幅も広がる」とし、現状の110キロ台のカーブにスピードを加え、師匠と同種の持ち球とする。

 センスの塊があっという間に手にした「マードロップ」。田中は「日ハム戦で投げるつもり」と、早速25日の登板で解禁する腹づもりだ。【宮下敬至】

 [2010年4月23日9時17分

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