ソフトバンクとオリックスが2対1のトレードで合意に達していることが29日、分かった。ソフトバンク荒金久雄外野手(31)、金子圭輔内野手(24)とオリックス金沢健人投手(31)の交換。チーム防御率が4点台に低迷し投手不足に悩むソフトバンクが投手補強を目指し、故障者に悩むオリックスが野手強化を目的としたもの。30日にも両球団から発表される。

 投手力不足に悩むソフトバンクがトレード第2弾に乗り出していた。ここまで33試合を終え、チーム防御率はリーグ5位の4・33。中でも中継ぎ投手不足に苦しみ、摂津、ファルケンボーグ、馬原に次ぐ存在が不可欠と判断。水面下で調査を進め、阪神時代の02年に50試合に登板したことのあるオリックス金沢に着目。球威で押す右腕を高く評価し、獲得にこぎつけたことが分かった。

 金沢は昨年まで主に中継ぎとして活躍。通算165試合に登板し、10勝9敗5ホールド。日本ハムを戦力外となり、入団テストを経てオリックスに入った今季の1軍登板はないが、先発と中継ぎの両方をこなせる器用さも兼ね備えている。

 ソフトバンクは今月20日に横浜から吉川輝をトレードで獲得したばかり。ただ、セットアッパーとして活躍している摂津とファルケンボーグは連投を避ける方針が固められており、依然として中継ぎ陣が手薄だった。

 編成を束ねる王貞治球団会長(69)もこれまで「期限まで調査を進める」とトレードについて前向きな姿勢を見せてきた。ホークスは03年以降優勝から離れている。立て続けの補強、しかもシーズン中には異例の同一リーグでの交換トレードには、ソフトバンク球団として初のリーグ制覇へ向け、不退転の決意が込められている。

 [2010年4月30日11時1分

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