CSファイナルステージで敗退した巨人の清武球団代表が24日、コーチ陣の大刷新に踏み切る考えを明かした。伊原春樹ヘッドコーチ(61)がV逸の責任を取って退任しフロント入り。篠塚打撃コーチ、緒方外野守備走塁コーチ、西山バッテリーコーチの退団も決まった。代わって、森脇浩司氏(50)が1軍内野守備走塁コーチ、川口和久氏(51)が1軍投手コーチとして入閣することが内定した。前中日2軍監督で球団OBの川相昌弘氏(46=ポスト未定)を、招聘(しょうへい)することも分かった。

 23日のCS敗退決定直後から事態は慌ただしく動きだした。名古屋市内のチーム宿舎で、伊原ヘッドコーチから退任の申し入れを受けた清武球団代表は、フロント入りを打診し、編成本部シニアアドバイザー就任を決定した。同代表は「チームの参謀から、今度はフロントの参謀役になってほしい」と話した。同日、篠塚コーチら3人にも来季の契約を更新しない旨を伝え、計4人のコーチが現場から退くことが決まった。

 新たにチームに加わるコーチ陣の顔触れも明らかになった。1軍投手コーチにここ2年間春季キャンプで臨時コーチを務め、広島と巨人で139勝を挙げた川口氏を招聘する。現任の斎藤、香田両コーチは留任する見込み。来季は「3人体制」で、今季不調を極めた投手陣の改革に乗り出す。

 シーズン中に木村拓也さん(享年37)が急逝後は、ポストが空いたままだった内野守備コーチにはソフトバンクの前編成アドバイザーで監督代行も務めた森脇氏の入閣が決定的。また、犠打の世界記録を持つ川相氏は、今季バント成功率が低かった若手選手たちに「スモールベースボール」を徹底的にたたき込む役割が期待される。

 28日のドラフト会議への準備も忙しいが、清武球団代表は「ドラフトをまたぎながら(コーチ陣の)編成作業を完成させていきたい。人心一新して新たな体制で臨みたい」と、11月には新体制で動けるよう全力を注ぐ考えを示した。

 育成部門に力を入れる球団は、コーチ陣のさらなる増員を予定している。清武代表は「うちはもともと多い方だと思うけど、コーチの数はさらに増やしていこうと思っている。育成力をさらに増していきたい」と、力を込めた。今季の悔しさをバネにして、原監督をサポートするコーチ陣を大刷新して巻き返しを図る。

 [2010年10月25日8時57分

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