来季は走って~!
阪神久保康友投手(30)が相手チームの盗塁を歓迎?
した。20日、トレーニングのために訪れた甲子園クラブハウスで「僕は打者をアウトにするより(盗塁した)走者をアウトにする方が楽」と私案を披露。挑戦的とも取れる発言の裏には、確固たる自信があった。
球界屈指のクイックモーションを誇る男として、今季は盗塁企図数1という驚異の数字を残した。しかも結果は盗塁死(※)で、今季、規定投球回数に到達した12球団投手の中ではただ1人、許盗塁0という“パーフェクト”を達成。自己最多の14勝につなげた。
「盗塁は足の速さではなく、スタート。だから(走者と)同じ間合いにならないことだけ気を付けた。普通にやれば走られないし、ボールがそれてもアウトになる。わざとスキを見せ、走って来るなと見計らってアウトにするのが理想」
通常クイックモーションは、投球に入ってからボールが捕手のミットに達するまでの時間が1・2秒台で及第点と言われるが、久保は社会人時代に0・99秒という記録を出した逸話を誇る。走者を気にかけ、クイック投球することでフォームのバランスを崩し、制球を乱す投手も多いが、久保は「球威は落ちるが、制球は逆にしやすい。(投球まで)最短の動きをするし、無駄な動作がないので」と自信をのぞかせた。
来季、久保に対する各球団のマークが厳しくなることは必至の状況。盗塁王梵を擁する広島、ヤクルトのように機動力を得意とするチームが現状打破を画策することも考えられるが、久保は相手の長所を逆手に取り、自身の白星増につなげることを考えている。【石田泰隆】
[2010年12月21日11時44分
紙面から]ソーシャルブックマーク