サバイバルキャンプのスタートだ。ソフトバンク春季キャンプ初日。秋山幸二監督(48)が右太もも裏肉離れとなった福田秀平外野手(21)を福岡・西戸崎リハビリ組に強制送還させることを決断。アレックス・カブレラ内野手(39)もチーム方針で犠打練習させる厳しさをみせるなど激しい争いのゴングを鳴らした。

 キャンプ初日、秋山監督が故障者の強制送還を決めた。表情を曇らせながら、断言した。

 秋山監督

 自分の体調管理はしっかりしないと。B組(2軍)?

 リハビリになるから西戸崎。B組から誰かを上げる。

 ベースランニングで5年目の福田が右太もも裏を肉離れ。練習を早めに切り上げ、宮崎市内の病院で精密検査を受けた。症状は重くないものの、指揮官は今日2日にリハビリ組の西戸崎合宿所(福岡市東区)に送り返す案を採用。A組昇格は2年目の中原が有力だ。

 実績がある選手でもチーム方針徹底の厳しさは一貫。この日は日本球界10年で通算346本塁打の大砲カブレラがホークス初練習。だが、周囲を驚かせたのは派手なフリー打撃だけではなくバント練習だった。

 打撃練習を終えると、ファウルグラウンドに設置された練習場所で、カブレラは送りバントに四苦八苦。それもそのはず。日本では犠打練習に取り組むのは初めてだ。カブレラは「もう、明日休む!

 ウソ!

 明日頑張る!」と日本語でジョークを飛ばしたが、帰り際に胸中を語った。

 カブレラ

 このチームでは(バントも)求められている。求められていることは何でもやる。あとは打点をあげること。

 郷に入りては郷に従え。1点を重んじる秋山ホークスの精神にそって練習を繰り返した。

 ただ、厳しさばかりでなく、ビッグチャンスをつかむことも可能だ。ドラフト2位柳田悠岐外野手(22=広島経大)が打撃練習でサク越えを連発。秋山監督の目尻は、サングラスの奥で下がっていたはずだ。

 秋山監督

 パワーがあるし、振り切れるところがいい。軸で回転できているし、今の中ではスイングが一番速い。可能性はある。面白いよね。

 キャンプ、オープン戦で結果を残せば、開幕1軍が見えてくると言わんばかり。新戦力の内川&細川が精力的に動けば、小久保や松中、多村らも無難に発進。初日恒例の監督会見でも好感触がうかがえた。

 秋山監督

 競争意識の中でスタートしている。こちらがしっかりとチェックする。ファンも期待していいと思います。

 日本一へ。激しいチーム内バトルの火ぶたは切って落とされた。

 [2011年2月2日11時21分

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