見出しは「城島、イソップになる」です。阪神2軍高知・安芸キャンプで6日、ドラマ「スクールウォーズ」のモデルになった伏見工ラグビー部・山口良治総監督(67)の講演会が開かれた。左膝手術の影響で2軍スタートとなり、講演会にも参加した城島健司捕手(34)は、ドラマに登場するイソップのようにチームに不可欠な存在になることを宣言した。

 「明日の見出しは決まったね。『城島、イソップになる』。死んでしまうけどスクールウォーズでは大事な人。スクールウォーズといえばイソップ。短命?

 僕は短命でもいいんですよ」。

 イソップこと奥寺浩は病弱ながらもラグビーを愛し、裏方仕事をこなしながら荒廃した部の立て直しに尽力。病死という結末を迎えるが、その熱い魂と悲劇性が感動を呼び、ドラマを代表する存在になった。

 実力は誰の目にも主役級の城島だが、気持ちはイソップ。昨秋の「ジョージア魂賞」授賞式にはVTRで出演し「地味で目立たなくても、勝利に貢献できるプレーをしたい」と発言。陰ひなたに存在感を発揮するのがポリシーだ。

 弱小校を全国屈指の強豪に育て上げた山口総監督とは、ダイエー時代の97年春に講演を聴いて以来14年ぶりの再会。直接、あいさつを受けて体調を気遣われた。「人間は歳月を重ねると同じ話でも受け取り方が変わる。今の自分が分かる」と今度も貴重な経験になった。城島はイソップ魂で優勝という最高のドラマをつくり上げる。【柏原誠】

 [2011年2月7日11時38分

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