阪神のFA戦士藤井彰人捕手(34=楽天)が実戦2試合目で本領を発揮した。紅白戦で先発マスクをかぶり、盗塁刺&移籍初ヒットを記録。左膝手術からリハビリ中の正捕手・城島が開幕に間に合わなくても、これでひと安心だ。

 いぶし銀がチームに安心感を与えた。1回無死一塁で2番高浜をフォークで三振に斬ると、すかさず二塁へ送球。俊足の坂に盗塁を許さなかった。

 「ワンバン送球だったけど助けてもらいました。(二塁の)タッチが早いので。あそこは能見がフォークを投げたいと言ったので…。(初ヒットも)良かったです」。

 その落ち着き払ったプレーでピンチをしのいだ。3回には二遊間を破るヒットで出塁。攻守ともに存在感を見せても、味方を立てる謙虚な性格…。近鉄時代に師弟関係だった真弓監督の口調も滑らかだ。

 「目立たない活躍をしている。(打撃も)大きいのはないけど、しぶとく塁に出るというバッティングはできる」。

 出会った時期はプロ2年目で若手だった。FA権を行使したぐらいだから、見違える成長だ。「今のふてぶてしさがちょっと違うところかな。安心して任せられる」とまで言った。

 3・25ヤクルトとの開幕戦は誰が先発マスクをかぶるのか。城島は開幕スタメンを目指してピッチを上げて調整している。だがもし、間に合わなかった場合…。藤井獲得はそんな不安を一掃するためだが、期待に応えてくれそうだ。

 [2011年2月21日10時33分

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