中日は14日、新外国人のワーナー・マドリガル投手(29=ダイヤモンドバックス3A)の獲得に合意したと発表した。1年契約で契約金5万ドル(480万円)、年俸30万ドル(2850万円)。メジャー0勝と実績はないが150キロ前後の速球を武器とする右腕で、同じドミニカ共和国出身のエクトル・ルナ内野手(33)の推薦が決め手になったという。高木守道監督(71)は早速セットアッパーを期待。背番号65の新助っ人が低迷竜の救世主となるか。

 苦闘が続く守道竜に、待望の新助っ投がやってくる。ワーナー・マドリガル。メジャーでの通算は0勝2敗1セーブと実績はないが、150キロ前後の速球とスプリットを武器とする本格派右腕だ。契約合意の知らせを聞いた高木監督は、「岩瀬の前!

 よければ中田賢を先発に回せる」と早くも8回のセットアッパーを期待。マドリガルも球団を通じて意気込みを語った。

 マドリガル

 日本でプレーしたかったんだ。神様のおかげでチャンスをいただいた。勝利に貢献できるように一生懸命頑張ります。

 実績0でも獲得に動いた背景には、ルナの推薦があった。「球が速いしスプリットもスライダーもいい。抑えやセットアッパーで三振を取れる投手だよ」。ともに昨オフ、母国ドミニカ共和国のウインターリーグに参加。所属は違ったが185センチ、113キロから投げ下ろす投球にルナも脅威を感じたという。近藤国際部長は「いつもひたむきで一生懸命なルナが推薦できると言うんだから、判断材料になった」と説明。4番で首位打者を走る男の太鼓判が、活躍確信のお守りだ。

 待ちに待った補強だった。投壊続きのチームは5月中旬、メジャー19勝のヘスス・コロメ投手(35)を入団テスト。高木監督も1度は合格内定を出したが、薬物使用歴なども考慮し、急転不採用となった。結局この1カ月で台所事情はさらに悪化し、借金は2ケタに増加。だがノーモア・コロメを教訓にマドリガルには入念な身分照会を行い、大幅遅れの補強が実現した。

 高木監督

 すぐ投げれると聞いとる。2軍で投げんでもええ。(今度は)いい投手であることを願うよ。

 新助っ投は18日に来日するが、監督はリーグ戦が再開する21日からの巨人3連戦中にも投入したい入れ込みようだ。今季は3Aで22試合36回を投げ、1勝0敗で防御率2・75の安定ぶり。投球回を超える41三振を奪い、8日(日本時間9日)の来日前最終登板も2回を0封するなどノッている。真の救世主になれるか。逆襲の成否がその右腕にかかっている。【松井清員】

 ◆ワーナー・マドリガル

 1984年3月21日生まれ、ドミニカ共和国出身。エバンヘリナ・ロドリゲス高卒。米国では06年エンゼルス傘下のマイナーに所属し、08年にレンジャーズでメジャーデビュー。09年まで2年間の大リーグ通算は主に中継ぎで44試合48回2/3を投げて0勝2敗1セーブ、防御率6・10。11年12月に右肘手術を受け、12年シーズンを棒に振った。復活した今季、3Aで22試合36回を投げ1勝0敗、防御率2・75。185センチ、113キロ。右投げ右打ち。血液型はA。趣味は釣り。家族は夫人と長男。