<フレッシュオールスター:全ウ1-7全イ>◇18日◇秋田

 ウエスタン・リーグ選抜のソフトバンク東浜巨投手(23)が先発して2回1安打無失点に抑えた。優秀選手賞を受賞し、賞金50万円を獲得。後半戦の1軍復帰を猛アピールした。試合はイースタン・リーグ選抜が全ウを下し、通算成績を18勝27敗5分けとした。

 決意を込めた東浜の16球だった。オール直球勝負。チームメートの山下とバッテリーを組み、2回無失点で終えた。前半戦は不本意な成績に終わったドラフト1位右腕が、1軍復帰をアピールした。「球の切れは悪くなかった。打者の反応を見ても、差し込まれていた。空振りを取れたのが、だいぶ収穫になった」。

 雨上がりのマウンドで足場が悪く、やや力をセーブ。球速の平均は137キロほどで、最速は142キロにとどまった。それでも1回2死、1軍で実績のある西武金子を詰まらせ左飛。2回は日本ハム近藤に中前打を許したが、最後は巨人坂口にこん身の外角直球。空振り三振で締めくくった。

 4月に1軍で連続KOされ、2軍で1カ月のミニキャンプを張った。軸となる直球の質を上げるため、ブルペンで変化球を封印。走り込んで体幹や下半身を鍛えた。「ジーンズがきつくなったのでスエット生地のズボンに替えました」とサイズアップに成功した。実戦復帰2戦目のウエスタン・リーグ阪神戦でプロ最速147キロを計測。そしてこの秋田でも直球の切れを確認した。亜大で東都リーグ35勝を挙げた自信が少しずつ戻ってきた。

 前日17日に西戸崎の寮を山下、飯田優とともに出発。湯上谷寮長から「タダでは帰ってくるなよ。手ぶらなら寮の草むしりや!」と賞金獲得のミッションが下った。見事に50万円をゲットし「みんなに還元しますよ」と笑った。

 1軍先発陣は9勝の摂津を除き不安定。「前半戦はチームの力になれなかった。後半戦は力になりたい」という東浜が結果を残し続ければ、お呼びがかかる日も遠くはなさそうだ。【大池和幸】