来日中の国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(59)が20日、20年東京五輪での野球・ソフトボールの実施競技復活について「可能性はある」と話した。都内のホテルで記者会見し、「IOCの中でも熱心に議論している。個人的には、より柔軟性を持って良いと思う」と私見を述べた。

 野球・ソフトボールは、08年北京五輪で実施されたのを最後に五輪から除外された。20年五輪の実施競技を決めた9月のIOC総会の投票で、最終候補に残ったが、レスリングに敗れて採用を逃した。日本オリンピック委員会(JOC)の竹田会長は「日本では一番人気のあるスポーツですから」とし、IOCに働きかける意向を示していた。この日、バッハ会長は「竹田会長からは必ずそれ(野球関連)が最初の質問でした。朝食で会った時にもです」と冗談交じりに内情を明かした。

 復活へは越えなければならないハードルがある。実施競技は最大28競技とし、大会の7年前までに決定すると五輪憲章で定められている。改正するためには、総会で委員の投票総数の3分の2以上の賛成が求められる。実際、IOCのデュビ競技部長は来日していた14日に「最大28競技に変更はない」と話している。

 今後は競技の入れ替えなどに柔軟な姿勢を持つバッハ会長が、どのようなかじ取りをするかが結論を左右する。「数カ月以内で議論がまとまれば」と語った。12月の理事会と来年2月にソチで開かれる総会などで議論を重ねていく。【阿部健吾】