投打「二刀流」のスーパールーキーに、これもプロの洗礼?

 日本ハム大谷翔平投手(19)が25日、選手会納会ゴルフコンペ(苫小牧市・樽前CC)に参加し、人生初ラウンドを経験した。最初のミドルホール(パー4)で12打をたたくなど悪戦苦闘し、トータルスコアは146。OBあり、ロストボールありと、野球のように華麗なプレーとはいかなかった。

 運動神経抜群の「二刀流」ルーキーでも、初ゴルフには苦戦した。18ホール中2ケタの大たたきが5回。最後のホールをこの日の最高、人生初めてのボギーで締めくくったあたりはさすがだが、スコアは146に終わった。

 大谷

 緊張はしなかったですけど、難しかったです。最初はどうなるかと思ったけど、ボギーは取れました。上達できるように頑張りたいです。

 グラウンド上での引き締まった表情とはうって変わって、苦笑いのままホールアウトした。

 根っからの「野球小僧」には、デビュー戦としては酷な状況でもあった。スタート時の気温は8・5度。時折強風が吹き、終盤には雨も降り出した。事前の練習も、ドラフト同期の新垣と1度打ちっ放しに行っただけ。打撃とは違い右打ちで挑んだが、途中で「左の方がよかったかも」と頭を抱えるほど、四苦八苦が続いた。

 序盤4ホールのうち、3ホールで12打をたたいた。「どうせなら(背番号の)11がよかった」と冗談を飛ばせるうちはよかったが、ボールはなくなり、OBを繰り返し、ハーフを終えたあたりでは「まだ半分!?

 あと9ホールも恥をさらさないといけないの!?」と泣き言も飛び出した。

 だが、「二刀流」に挑んだ“パイオニア精神”は、ゴルフクラブを持っても健在だった。右に曲がった形状の難易度の高いホールでは、短いクラブを使ってコースなりに進む安全策を勧めるキャディーに対し、「僕は挑戦したいんです」とかたくなに拒否。ウッドをフルスイングしての林越えショートカットに挑み、そして…、失敗。結果は裏目に出たが、「楽しくできたのでよかったです」と、攻めの姿勢に後悔はなかった。

 ファンフェスから続いた球団行事出席はいったん落ち着き、今後は再び千葉・鎌ケ谷を拠点に自主トレに励む。プロで初めての後輩もできるが「誰に負けないとかじゃなく、自分がしっかりと成長できればいいです」。野球人生は“OB”することもなく、まっすぐに成長し、2年目を迎える。【本間翼】<日本ハム主な新人初ゴルフ>

 ◆ダルビッシュ有(05年)

 ゴルフは生涯2度目の挑戦で、スコア166をたたき88人中87位のブービー。「楽しかったです…。でも疲れた」とラウンド後は、ぐったりした表情で話した。1番ホールでは、第1打が20メートル先の木に当たった後、カート→石と跳ね返り、手前のレディースティーまで戻ってくるミラクルショット?

 もあった。

 ◆中田翔(08年)

 ゴルフデビュー戦でスコアは134。グラウンド同様、長距離ヒッターぶりを見せた。第1打の飛距離はわずか10メートルほど。OBも出し「ゴルフ向いてないなぁ」と意気消沈していたが、7番のロングホールでは、推定280ヤードのビッグドライブでドラコン賞を獲得した。

 ◆斎藤佑樹(12年)

 ルーキー年の前年は降雪で中止となり、2年目で選手会納会ゴルフデビューとなった。初めて100を切る98をマークし「初めてボールを1個もなくしませんでした」と、うれしそうに話した。