「3センチの変化」で開幕ローテをつかむ。ソフトバンク寺原隼人投手(30)が、今キャンプからフォーム改善を図っていると明かした。左足のインステップ矯正により好感触を得ている。今日15日の紅白戦で実戦初登板。予定される2イニングで結果を残し、首脳陣にアピールしたい。

 昨年4勝どまりだった右腕は、悩みの種を明かした。「力むとどうしてもインステップしてしまっていた。その課題は去年も頭の中にあったが、なかなか変えるタイミングがなかった。(クロスする)左足を内側(一塁側)に持っていくと、スムーズに投げられる」。その違いは足の幅半分くらい。わずか3センチほどだが、されど3センチ。おかげで腕の振りが横から縦になり、ボールに力が伝わるようになった。

 キャンプでは積極的にブルペンに入り、修正を続けてきた。11日のシート打撃登板では打者11人に対して2安打。新球チェンジアップも生かし、まずまずの内容だった。郭泰源投手コーチも「足の運びがスムーズになって、去年よりだいぶ良くなった」と話す。

 15日の紅白戦は中田、東浜、新垣、岩崎、大場といった先発候補がこぞって登板。寺原も含めた6人がアピール合戦を繰り広げる。「まずは攻めの投球をしたい。基本線は真っすぐがどれだけ走っているか。あとは決め球をしっかり投げることが大事になってくる」。“ニュー寺原”が、先発ローテ6枠を巡るサバイバルをリードする。【大池和幸】