<オープン戦:ソフトバンク10-0巨人>◇16日◇別大興産

 ソフトバンク松中信彦内野手(40)が巨人の守護神西村から右翼場外にオープン戦1号ソロを放ち、開幕1軍生き残りに大きくアピールした。

 7回1死走者なしから代打で登場。内寄り142キロ直球を振り抜くと、白球は地上からの高さ10メートルの防球ネットを越え場外へ消えた。推定135メートルの特大弾。右翼席にいた大分の子どもたちは驚弾にバンザイしながら大喜びだった。場外弾だったことを知った松中は「そうですか。ありがとうございます。真っすぐをうまく打てました。完璧です」と笑みがこぼれた。

 控え組にとってこの日の試合が最終試験だった。明日18日の日本ハム戦から5試合は本番モードとなり、数人が降格となる。この本塁打を入れても12試合21打席で18打数3安打、打率1割6分7厘と数字的には厳しい。レギュラーは固定される中、ここ5戦は代打で1打席起用。「代打は難しい」と話すが、4打数2安打(二塁打と本塁打)に1四球と結果を残している。

 秋山監督の指導を受けながら、フォームを常に微調整。この日はしっかり1本足で待ち、直球を捉えた。

 チームとして6年ぶりの大分での試合。球場関係者は松中の場外弾に「あれほどの当たりは00年のオープン戦で巨人の松井が打って以来だと思います」と驚く。当時の松井は25歳。同じようなアーチを松中は40歳で描いた。「(状態は)いいと思います」。04年の3冠王から10年。今季は一振りで生き残る。【石橋隆雄】