<全日本大学野球選手権:亜大3-0愛知学院大>◇15日◇準々決勝◇神宮

 東浜が連投モードに入った。亜大(東都)の東浜巨投手(4年=沖縄尚学)が、4安打4奪三振で愛知学院大(愛知)を初完封。球数103は完投では自己最少で、ノルマとする4試合連続完投を意識した省エネ投法で4強入りを導いた。

 東浜は投球スタイルを変えた。直球で押して5回までに3三振を奪うも「相手が振ってくるので、ずらした方がリズムが出る。打たせて取ろうと思った」と、6回以降はスライダー、ツーシームを軸に打者14人から1三振。7回は3球で切り抜けるなど、無四球の制球力で相手打線をかわした。2回戦(八戸大)で大学自己最多の14奪三振も149球で2失点。中1日の登板は4三振でも全国初完封を成し遂げた。

 少ない球数で、昨秋の明治神宮大会で敗れた相手を切り抜けた意味は大きい。大会前、生田監督から4試合連続完投指令を受けていた。250球もの投げ込み、スパイクを履いてのランニングなどで体力強化を行った。スタミナには自信を持つが、今後は連戦になる。前日はノースロー調整し、酸素カプセルに入るなど疲労回復に努めていた。

 主将として迎える全国大会、目標は絞られている。「完封はチームとしてとったもの。ここまで来たら勝ちたい思いだけ。残り2つなので目の前の敵を全力で倒す」と意気込む。地元沖縄から観戦に訪れた母孝子さんに「勝つ姿を見せてね」と激励も受けた右腕。高校以来の全国制覇に、また1歩近づいた。【斎藤直樹】