金田よ「北別府2世」になれ!

 阪神にドラフト5位で指名された大院大・金田和之投手(22=都城商)が2日、大阪・吹田市内の同校で佐野統括スカウトらから指名あいさつを受けた。最速146キロの即戦力右腕として期待され、来年2月の1軍キャンプ参加を目指す。通算213勝を挙げた元広島の北別府学氏(55)と同じ鹿児島・曽於市出身。同市関係者も「金田選手も北別府さんのように」と熱いエールを送った。

 ドラフト5位指名の金田に、1位藤浪以上の注目を注ぐ町がある。甲子園から遠く離れた、ふるさとの鹿児島・曽於市。おらが町の英雄とかさね合わせ、早くも「北別府2世」の期待が高まっている。

 同市教育委員会・社会教育課生涯スポーツ係の担当者は「曽於は北別府さんの影響がすごく大きい。うちの街の財産。金田さんにも曽於を背負うような投手になってほしい。野球で街に貢献できるよう頑張ってほしい」と活躍を願った。同市では金田のプロ入りを祝う垂れ幕も用意する予定だという。

 広島の黄金期にエースとして君臨し、通算213勝を挙げた北別府学氏。名球会投手の名前を聞いても金田は「すごい人だというのは聞いたことがあります」と話すだけだが、それも無理はない。同氏は金田が4歳になる直前の94年9月15日に現役引退を表明していた。隔世の感があり冷静なのは当然だ。

 だが、時代こそ異なるが、金田と北別府氏の歩みは似ている。同じ曽於市で育ち、金田が財部(たからべ)町出身なら、同氏は隣の末吉町だ。しかも、高校はともに自転車で宮崎・都城市に越境通学。十数キロの道のりで下半身を鍛えた。北別府氏は「精密機械」とも称された制球力で、球界に一時代を築いた。同じ右腕で金田にとっても、発奮材料にうってつけな大先輩なのだ。

 この日は指名あいさつを受けて、和田監督が直筆で「特長生かして

 目指せローテ入り!」としたためたドラフト会議の入場パスも贈られた。8月末には右肩関節周囲炎を発症。10月中旬にキャッチボールを再開し、遠投も行うなど回復した。来年1月のブルペン投球につなげ、1軍キャンプ参戦が直近の目標になる。

 「向上心を持ってやっていきたい。上(1軍)を目指す気持ちを常に持っていたい。阪神藤川投手のような、真っすぐで勝負できる投手になりたいです」

 直球のキレが生命線。山本スカウトも「ベースの上でスピンが効いている。(似たタイプは)久保とかかな。ある程度、体ができたら(球速も)スピードアップする」と太鼓判を押す。ストライクゾーンを投げ分ける制球力も備わる。先発陣へ、そして、いつか北別府氏のように…。薩摩隼人(はやと)の夢は広がる一方だ。【酒井俊作】<金田和之(かねだ・かずゆき)アラカルト>

 ◆生まれ

 1990年(平2)9月18日、鹿児島県。

 ◆球歴

 宮崎・都城商で甲子園出場なし。大院大に進学し、関西6大学リーグで11年春に最優秀投手賞、11年秋、12年春にベストナイン。6試合連続完封も記録した。12年春は防御率0・70で最優秀防御率。

 ◆球種など

 最速146キロの直球のほか、カットボール、スライダー、フォークを操る。

 ◆キャンプ見学

 幼い頃は広島の日南キャンプを見学。天福球場で前田智の打撃を見たのが印象に残っている。

 ◆内角の鬼

 今年から打者の胸元を攻められるようになった。大院大・西山正志監督も「投げ分けができるから外ばかり投げていたけど、春から内角に飛び込むようになって、そこを評価してもらった」と話す。

 ◆家族

 父、母、姉、妹。

 ◆サイズ

 184センチ、77キロ。右投げ右打ち。O型。