どうする第2先発-。WBC1次ラウンドを勝ち抜くためのキーポイントの1つが、先発投手の次に日本では「第2先発」、米国では「ピギーバック(おんぶ、背負うなどの意味)」と呼ばれる役割の投手陣だ。

1次ラウンドの球数制限は1試合65球。先発投手が5回を投げ切れれば上出来だが、3回ぐらいまでに65球に達してしまうこともある。そんなときに先発の流れを背負って加速させる、もしくは食い止めるのが大きな役割だ。

ここまでの実戦調整から見えてきた“組み合わせ”は以下の通りだ。9日の中国戦が「大谷&戸郷」、10日の韓国戦が「ダルビッシュ&今永」、11日のチェコ戦が「佐々木&宮城」、12日のオーストラリア戦が「山本&高橋奎」だ。

ここにも指揮官がよく言う「野球は物語だ」というメッセージも込められていそうだ。

9日は「本当に大事なスタート。とにかく大谷翔平でいく」と再び二人三脚で歩み出す大谷と、巨人の本拠地・東京ドームは投げ慣れている戸郷による万全コンビ。10日は百戦錬磨のダルビッシュに、こちらも経験値は豊富なノーヒッター今永による熟練コンビ。11日は今後の日本球界を背負う佐々木と宮城の同学年コンビ。12日は大舞台に強い山本と高橋奎という日本球界を代表する左右の本格派コンビ。各対戦国の打線を封じ込めるシナリオは、できている。

8日に公式会見に登場した今永は自らの役割について問われて「栗山監督を始め、投手コーチの言われたところで自分のパフォーマンスを最大限に出す。そうでなければ、通用しない相手ばかり。難しい場面でも、しっかりと1球目から自分のボールが投げられるような、そのような役割が求められているのかなと思います」と、気の緩みは一切ない。侍史上最強先発ローテとともに盤石の第2先発布陣で、1次ラウンドを確実に突破する。【木下大輔】

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