【マイアミ(米フロリダ州)21日(日本時間22日)】日本が、そして世界が奇跡のエンディングを目撃した。侍ジャパンはWBC決勝で野球の母国、米国と対戦した。1点リードの9回、マウンドに上がったのは3番DHで出場していた大谷翔平投手(28=エンゼルス)。DHを解除する超リアル二刀流で守護神と化した。2死からはエンゼルスの戦友で米国の主将、マイク・トラウト外野手(31)と18・44メートル間で向き合った。最後はダルビッシュによる14年前の世界一ラス投を再現したかのようなスライダーで空振り三振。あまりに美しすぎる結末に酔いしれるしかない。世界のスーパースター大谷が、日本にとって3大会ぶり3度目の世界一のトロフィーを、ローンデポパークの夜空に掲げた。

▼日本は19年プレミア12、21年東京オリンピック(五輪)に次いで主要国際大会を3連覇した。この3大会ですべてメンバーに入り、日本で初めて3種の金メダルを手にした選手は、山本由伸、甲斐拓也、山田哲人、源田壮亮、吉田正尚、近藤健介の6人。

▼日本が無傷の7連勝で大会3度目の優勝。WBCで無敗の優勝は第3回大会(13年)のドミニカ共和国(8連勝)以来、史上2チーム目となった。

▼決勝は3-2の1点差。主要国際大会(五輪、WBC、プレミア12)の決勝が1点差なのは、08年北京五輪(韓国3-2キューバ)以来2度目。