WBCに出場しているチェコには、日本人のコーチがいる。内野守備走塁を担当している田久保賢植氏(41)だ。前回大会は合宿の手配などコーディネーター職でチームに同行し、今回も同職を継続しながらベンチ入りした。ハジム監督は「内野手として選手経験がある。日本人でもあり、ロースターにいることには意味がある」と信頼を寄せている。
田久保コーチは「自分が外圧となって日本野球が良くなるようにしたい。100年後とかに評価されたら」。八千代西高(千葉)から中央学院大に進むも中退。四国IL、カナダのチームや関西独立リーグなどを渡り歩き、12年に日本人で初めてチェコリーグのフロシ・ブルノに入団した。オーストラリアなど6カ国の独立リーグを経験した。
現在は千葉で家業のリフォーム業を手伝いながら、定時制の世田谷泉高や、元西武の大友進氏が監督を務める社会人チームのNbuy(東京)でコーチを務めている。「転校すると1年間公式戦出場不可」などアマチュア球界のルールや、プロ野球がMLBと大きな経済格差をつけられた点など、日本球界に多くの疑問を持つ。チェコ代表では、宮崎キャンプで着用したユニホームにカタカナで「チェコ」と入れた。オークションに出品し、強化費用に充てる計画もある。
チェコではマイナースポーツでありながら、23年大会では1勝し、日本を2回までリードした。昨年の欧州選手権では初めて3位入賞。田久保コーチは代表強化を支えながら、いつか日本球界に影響を与えられる存在になろうとしている。今回のWBCでも、前回同様の「チェコフィーバー」を巻き起こすつもりだ。【斎藤直樹】

