侍ジャパンの「柱」が、初戦の大役を果たし、チームを勝利に導いた。山本由伸投手(27)が、WBC初戦の台湾戦(東京ドーム)に先発。オリックス時代の同僚でもある若月健矢捕手(30)とバッテリーを組み、2回2/3を無安打無失点に抑えた。初回を3者凡退に封じ、2日前に誓ったチームを勢いづける投球を体現。難敵の台湾を相手に、2ケタ得点の流れを呼び込んだ。
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山本が、大舞台や短期決戦で結果を残せる理由の一端を垣間見た瞬間だった。3日の阪神との強化試合前に行われた会見に出席。椅子に着席すると、ゆっくりと会見場を見回し、私と目が合った瞬間に少し目を大きくしながら、ジェスチャーであいさつ代わりの合図を送った。
普段から米国で取材する記者ではなく、私は山本がドジャースに移籍後の24、25年ともに期間限定で日本から取材に訪れたのみ。山本の「記憶力」に驚かされたとともに、冷静に周囲を見る「洞察力」、合図まで送れる「人間力」に触れ、マウンド以外の部分からも山本のすごみを感じた。
会見後、部屋の外で対面し、あいさつすると、山本は「お久しぶりです。よろしくお願いします」と笑顔で話した。メジャー2年間でポストシーズンで日本人最多の7勝を挙げ、昨年のワールドシリーズではMVPを獲得。投球のすごみは説明不要だが、「人間山本」の魅力をさりげない行動から感じた。【久保賢吾】

