【マイアミ(米フロリダ州)12日(日本時間13日)=斎藤庸裕】ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で大会2連覇を目指す侍ジャパンの大谷翔平投手(31)が、準々決勝で激突する敵軍の先制“口撃”を華麗にかわした。チームの全体練習後、公式会見に臨み、ベネズエラのミゲル・カブレラ打撃コーチからの四球攻め予告に応戦。先発の左腕レンジャー・スアレス(30)には昨季ポストシーズンで3打数無安打に抑えられているが、再対決でリベンジが期待される。全体練習前にはライブBP(実戦想定の投球練習)を行い、フルシーズンの二刀流へ準備を進めた。
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相手の揺さぶりに動じない。むしろ大谷は、ウイットに富んだ“らしい切り返し”で不敵に笑った。12年の打撃3冠でベネズエラの打撃コーチを務めるミゲル・カブレラ氏(42)から、大谷対策として四球攻めを突きつけられた。対戦前から、勝負回避をにおわせる予告。これに応戦した。
「東京の家に、カブレラ選手のサインバットが置いてあるんですけど、触って力をつけてきたので、その力を存分に発揮したいなと。打てなかったら御利益がなかったと思って…フフッ。それくらいの気持ちで頑張りたい」
サイン入りバットを譲り受けて自宅に保管してあることを明かしただけでなく、願掛けまで行っていた。ベネズエラとの対戦を予期していたのか、それを見越した周到な準備力。先制“口撃”をサラリとかわし、準々決勝に向け「単純に1人1人のパフォーマンスでも、素晴らしい選手が集まってきているので、そういうのを、一選手として楽しみにしています」と、ワクワク感を口にした。
もっとも、カブレラ打撃コーチは大谷をメジャー1年目の頃から一目置く存在として見ていた。「サイ・ヤング賞もとれるし、3冠王もとれる」と称賛。同コーチを最後に打撃3冠に輝いた選手はいない。大谷は「50-50(50本塁打&50盗塁)」を達成した24年シーズンに本塁打と打点のタイトルを獲得。惜しくも3冠に届かなかったが、シーズン終盤まで首位打者争いを演じ、カブレラ氏の予言が的中しそうな勢いだった。
雌雄を決する強敵との戦いは、好投手の左腕スアレスとの対戦からスタート。南米系が多いマイアミの地で、ファンだけでなく選手たちにも過去最大とも思えるほどの活気がある。大谷は「ホームランを打った後にホームで出迎えるとか、ラテン系のノリの良さというか、そういうのは見てきたので、まずはベネズエラ戦ですけど、選手たちの、日本とまた違う雰囲気っていうのもすごい楽しみ」と、胸を躍らせた。WBC連覇まであと3勝。王座を譲るつもりはない。
▷日本森下(大谷のライブBPの打席に立つも、5打数無安打3三振)「すごかったです。体験できて良かった。(スイーパーは)日本にあそこまでのボールを投げる人はいないです。球速、キレとか」
▷日本小園(ライブBPで大谷と対戦し)「初めて見るボールで、全部のボールがすごかったです。ボールも重たいですし、変化球の曲がりもスピードも全てにおいて、すごかったです」
▷日本中村悠(大谷のライブBPを捕手で受け、打席にも立って体感)「前回(大会決勝)は真っすぐとスライダー、スイーパーしか受けてなかったんですけど、今回はスプリットとシンカー、カーブとか、いろいろな球を投げてましたけど、すごいですね」
▷日本吉田(ベネズエラ代表との準々決勝へ)「素晴らしい選手がそろってますし、ここから3つ厳しい戦いになる。緊迫したゲームになると思います」

