第４回ワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）が３月６日に開幕する。２大会ぶり世界一を狙う侍ジャパンだが、参加国も有力選手で戦力を整え、頂点を目指す。イスラエル代表の注目選手を紹介する。
医学部合格した秀才左腕
クレイグ・ブレスロー投手 １９８０年８月８日、コネティカット州生まれ。イェール大から０２年ドラフト２６巡目でブルワーズ入団。アイビーリーグでは２年時に最優秀防御率となる２・５６をマーク。だがマイナー時代は苦労し、０４年途中にブルワーズから自由契約。その年に大学医学部入学テストを受け、ニューヨーク大学医学部に合格したが、大学が野球との二刀流を認めなかったため入学を断念。０５年にパドレスでメジャー初昇格、０６年にレッドソックスに移籍し、昨季はマーリンズに所属するなど１１年間で７球団でプレー。今季はツインズとマイナー契約。ユダヤ人として生まれ育ち、幼少のころからユダヤ教の歴史や言語を学ぶ「ヘブライ学校」に通った。イェール在学中は分子生物物理学と生化学を専攻し、メジャー最高の知性派選手と呼ばれる。１８３センチ、８６キロ。左投げ左打ち。
- イスラエルのクレイグ・ブレスロー投手
ＭＶやライブ演奏をネット配信
タイ・ケリー内野手 １９８８年７月２０日、テキサス州生まれ。カリフォルニア大学デービス校から０９年ドラフト１３巡目でオリオールズに入団。１３年６月にマリナーズへ、１４年１１月にカージナルスへ、１５年７月にブルージェイズへと、マイナーで球団を転々とし、１５年１１月にＦＡでメッツに移籍。１６年５月２４日にメッツでメジャーデビューし、この年は３９試合に出場、打率２割４分１厘、１本塁打、７打点。今季はメジャーのベンチ枠入りを目指している。１０代の頃からギターを弾くなど音楽にも熱中しており、昨秋から自ら作詞作曲した曲を演奏するミュージックビデオを動画投稿するＹｏｕＴｕｂｅｒとなり、ライブ演奏をＰｏｄｃａｓｔで配信するなどの活動をしている。母がイスラエルにルーツを持つユダヤ人。１８０センチ、８２キロ。右投げ両打ち。
- イスラエルのタイ・ケリー内野手
大学時代は首位打者に
ライアン・ラバンウェイ捕手 １９８７年８月７日、カリフォルニア州生まれ。イェール大学から０８年ドラフト６巡目で指名されレッドソックスに入団。イェール時代の０７年に打率４割６分７厘でＮＣＡＡの首位打者タイトルを獲得し、アイビーリーグの歴代最多本塁打記録３３本、同リーグ最長記録の２５試合連続安打をマークしている。１１年８月にレッドソックスでメジャーデビューを果たしたがその後は伸び悩み、１４年オフにウエーバーで３度移籍し、１５年はオリオールズで開幕を迎えたが５月にブレーブスに移籍。ユダヤ人の母親の影響を受け、高校時代からユダヤ教とその精神に傾倒して定期的に教会に通うほどになった。今季はアスレチックスとマイナー契約を結び、メジャー再昇格を目指す。１９３センチ、１０９キロ。右投げ右打ち。
- イスラエルのライアン・ラバンウェイ捕手
父ロン氏はメジャー元投手
アイク・デービス内野手 １９８７年３月２２日、ミネソタ州生まれ。アリゾナ州立大から０８年ドラフト１巡目（全体１８位）でメッツに入団。高校時代からエリート選手として注目され、大学１年で優秀選手の全米２位にランクされた。メッツ傘下マイナーでは２年目の０９年にメッツ傘下の最優秀選手に選ばれ、１０年４月１９日にメジャーデビュー。１２年に自己ベストでナ・リーグ５位の３２本塁打、９０打点をマーク。しかしここ数年は成績が低迷し、１４年途中にパイレーツに移籍、１５年はアスレチックス、１６年はヤンキースと球団を転々とし、今季はドジャースとマイナー契約を結びメジャー昇格を目指す。父ロン氏も投手としてメジャーで活躍した。母方の家族がリトアニア出身でユダヤ人。１９３センチ、１００キロ。左投げ左打ち。
- イスラエルのアイク・デービス内野手
誕生時４・５キロの巨大児
サム・ファルド外野手 １９８１年１１月２０日、ニューハンプシャー州生まれ。スタンフォード大学から０４年ドラフト１０巡目でカブスに入団。大学時代にカレッジワールドシリーズに出場し、同シリーズ歴代１位の得点記録を樹立。カブス傘下で４年目の０７年にメジャーの登竜門であるアリゾナ秋季リーグに参加し、リーグＭＶＰに選出。０７年９月にカブスでメジャー初昇格を果たしたが最初の数年間はマイナーとの往復を繰り返した。１１年１月に後のエースとなるクリス・アーチャー投手らと一緒にレイズへトレードで移籍。１４年から１５年までツインズとアスレチックスに所属し、１６年はメジャーでプレーしていない。父がユダヤ人で母はカソリック。誕生時に４・５キロの巨大児だったため「スモウ・サム」の愛称で呼ばれた。１７５センチ、８２キロ。左投げ左打ち。
- イスラエルのサム・ファルド外野手
