「相棒」シリーズ第3回は全日本プロレスの「最高男」こと3冠ヘビー級王者宮原健斗(30)の入場曲「BREAK HEART」。派手で、やたら長い入場へのこだわりについて聞きました。【取材・構成=高場泉穂】

派手なパフォーマンスで入場する宮原(撮影・河田真司)
派手なパフォーマンスで入場する宮原(撮影・河田真司)

-曲を使い始めたのはいつからですか

健介オフィスにいた13年頃にヒールターンをしまして、その時に曲ができました。悪くて、クールっぽくして欲しいと依頼してできました。

-14年に全日本に移籍。曲を変えなかった

プロレスラーが入場曲を変えるのは好きじゃなくて。お客さんに浸透するまで使い続けないとと思っていました。今はみなさんに頭から離れない、と言われます。

-だいぶ長い時間をかけて入場する今のスタイルはいつから

ここ1年ぐらいじゃないですかね。もともと歌手のライブが好きで、お客さんにインパクト残せないかなと。入場の長い人として忘れられない選手になれれば、とある日ふと思いつきました。前は今の半分ぐらい、1分半ぐらいですよ。全日本プロレスらしくない、というのもはじめたきっかけの1つですかね。ああいう入場は男くさい全日本のプロレスの伝統からいったら、外れてるんですよ。でも、そこにチャンスを見いだしたんですよね。らしくないほうが目立てる、と。人と違うことしないと目立てないので。

-参考にしているのは

安室奈美恵さんですね。ライブの動画をみて「聞こえないなぁ」って耳に手をあてて、やるじゃないですか。ああいうお客さんとのやりとりとか使えるなと。

-ダンスもうまい

もともとラテン系の血が3割ぐらい入ってるんじゃないですか。リズム感あるんですよ。その時、体が感じたまま動いていることが多いです。

-入場時の「ケント」コール。自然発生したんですか

いや、3年前ぐらいに完全に自分から発信しました。ツイッターやブログでケントコールや、マイクのコールアンドレスポンスのやりかたとか説明しているんですよ。ここ1、2年で好きになってくれた方は知らないと思いますが、全部自分で説明してます。それをやってくださる方が増えてきたという感じです。

-目標にする選手はいますか

ハルク・ホーガンですね。小学校2年生の頃からずっと好きです。自然と体にホーガンが染みこんでいるから、そういう動きが出ちゃう。彼はスーパースター。見た瞬間、カリスマ性がある。入場だけで金が取れるレスラー。僕もいつか試合しないで金を取りたい。そんなレスラーになりたいです。

入場パフォーマンスへのこだわりを語った宮原健斗(撮影・中島郁夫)
入場パフォーマンスへのこだわりを語った宮原健斗(撮影・中島郁夫)

◆宮原健斗(みやはら・けんと)1989年(平元)2月27日、福岡市生まれ。08年2月健介オフィスでデビュー。14年1月に全日本入団。16年2月に史上最年少の26歳で3冠ヘビー級王者となる。3冠ヘビー級は第55、57、60、62代王者。19年チャンピオンカーニバル優勝。得意技はシャットダウン・スープレックスホールド。186センチ、102キロ。