ロシアの軍事侵攻で練習拠点を失い日本国内で事前合宿した相撲のウクライナ代表が、米国で開催中の国際総合大会「ワールドゲームズ」で快進撃を見せた。男女計8階級で金3個を含む計9個のメダル獲得。大会に出場した17カ国中、日本に次ぐ2位の成績を収めた。事前合宿の支援に当たったウクライナ相撲連盟JAPAN事務所代表の松江ヴィオレッタさんは「これ以上ない素晴らしい結果」と興奮が冷めない様子だ。

選手団は5月末に来日後、6月から大分・宇佐市と愛媛・西予市で実施。大会では合宿に参加した6人全員がメダリストになった。「『日本で練習できていなかったら、この結果にはならなかった』『このメダルの半分は君たちのおかげだ』と言ってくれて、活動をやって良かったと思いました」と心が打たれた。

選手たちの頑張りが、自身にとっても大きな刺激になった。「どんな状況でも生き生きと相撲に打ち込む姿に元気をもらいました」となつかしむ。「今度は戦争の理由じゃなくて、日本に来たい」と言ってくれた言葉が忘れられない。「ウクライナの相撲文化を知ってもらうという最初の目標は達成した」と大会に向けた支援は終えたが、引き続きサポートを惜しまない。「これからどういう広がりを見せられる。それが一番大事」と両国の架け橋となる。【平山連】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

大会前に日本で事前合宿を行った相撲のウクライナ選手団と支援者たち(ウクライナ相撲連盟JAPAN事務所提供)
大会前に日本で事前合宿を行った相撲のウクライナ選手団と支援者たち(ウクライナ相撲連盟JAPAN事務所提供)