こっ、こっ、これは一体(汗)-。大相撲夏場所中に発表された九州場所PRイベント「人気力士が集結!みんなで触ろう!腹タッチ会!」について、あまりの斬新な企画に目が点になった。6月11日、福岡市内で幕内力士5人が参加し「握手会ならぬ力士参加イベント、その名も『腹タッチ会』!」が行われ、当日はお笑い芸人の蛍原徹がイベントMCを務めるそうだ。

日本相撲協会のイベント発表直後からツイッター上では話題になり、たちまちトレンド入りした。「ユニークなイベントですね」「国技館でも、お願い致します」「めっちゃ面白そう」「ぶっ飛んだ企画だな笑」と賛同する声がある一方で、「握手会やサイン会でも、人は集まると思うのですが」「力士の身体をなんだと思ってるんでしょう」「お相撲さんって神聖な存在だと思ってたんだけど。腹タッチ会って…」「力士の安全は本当に確保されるのかな?」など反対意見も根強い。

賛否両論が渦巻くイベントについて、九州場所担当の親方に聞いてみた。不知火親方(元小結若荒雄)は、「11月の九州場所が終わった後も、大相撲の盛り上がりを持続するためにどうすればよいか考えてきました。今回のPRイベントはその一環です」と説明。名古屋、大阪といった他の地方場所のように地元の人たちが大相撲を継続的に親しむ土台を作ろうと躍起だが、一体なぜ腹タッチ会なのかという問いには「詳しいことは秘密です」と明言を避けた。そして、「当日ぜひ会場にお越し下さい」とけむに巻かれてしまった。

協会関係者によると、腹タッチ会の企画のきっかけは、福岡で行われたアーティストのハイタッチ会を知ったことだという。推しのアーティストとハイタッチするために会場へ足を運ぶファンの心理を、力士たちのイベントでも応用できないかと考え、ハイタッチ会ならぬ腹タッチ会が生まれたようだ。「SNSで賛否両論があることは承知してますが、まずはやってみて」と実施に向けて着々と準備を進めている。

幕内力士にも聞いてみた。いずれも初めて知った様子で、「腹を触られるためだけに福岡に行くんですか!?」と逆質問されたり、「巡業でも勝手に触ってくるファンの方がいて…」と驚きと同時に戸惑う力士もいた。ある九州出身の力士は「良いと思うんですが、地元なのにお呼びがかからなかったらどうしよう」と別の心配も。多くがイベントについて「ファンが喜ぶなら」と賛同していたが、ある力士は「このイベントに品格はないですよね」という意見もあった。

イベントでは他に「僕らの九州場所」「九州場所差し入れ争奪!歌いっぷり歌謡ショー!」「この際、言わせていただきます!関取!良いとこじゃいけん!?」が実施予定。近く、当日参加する幕内力士5人が発表される。【高田文太、平山連】