IBF世界スーパーバンタム級3位岩佐亮佑(27=セレス)が、2度目の挑戦で新王者となった。同級王者小国以載(29=角海老宝石)に2回までに3度ダウンを奪い、口の傷とダメージからのレフェリーストップで6回2分16秒TKO勝ちした。初防衛に失敗した小国は引退を表明した。

 小国のサウスポーの苦手意識がもろに出た試合となった。左ストレートをあそこまでまともにもらったら勝てない。4年前の東洋太平洋王座戦でも同じサウスポーの和気に負けている。序盤は左をもらわず、中盤にかけてボディーを狙ったと思うが、作戦以前の問題だった。右の選手との対戦ではここまで反応が悪い選手ではない。

 逆に過去の黒星を糧にしたのが岩佐だった。初回からチャンスになっても慌てないで、相手をよく見た。11年の日本バンタム級王座戦では山中に10回TKO負けしたが、この時も序盤にぐらつかせる場面がありながら、逆転を許した。その時の経験、キャリアを生かした。もともと実力があった。いつ世界王者になっても不思議ではなかった。

 田中は今までの見た中で一番悪い出来。調子が悪かったとしか思えない。ただ、最後の詰めはさすが。田口との試合が楽しみだ。(元WBA、WBC世界ミニマム級王者)