昭和の名横綱大鵬の孫でプロレスラーの納谷幸男(23)が、デビュー戦から一夜明けた15日、都内のリアルジャパン道場でプロ初戦を終えた心境を語った。

 14日のリアルジャパン後楽園大会で、雷神矢口を相手に開始早々に放った右のキックが、納谷のプロレス人生の扉を開いた。その後は場外乱闘で、有刺鉄線ボードにたたきつけられたり、有刺鉄線バットで殴られたりと流血も経験。矢口の毒霧の洗礼も受けたが、巨体を生かした蹴りに、初代タイガーマスク直伝のフライングクロスチョップも披露するなど、大器の片鱗も見せた。

 納谷は「最初の蹴りでお客さんの『ウォー!』という声が聞こえて、よしという気持ちになった」と振り返った。最後は豪快なランニングニーリフトを決め快勝したが、試合内容については「まだまだ50点。毒霧を浴びたあたりから記憶がなくなった。もっと体を作り直して、次の戦いに臨みたい」と納谷。試合は、両親や兄弟、さらに大鵬夫人で祖母の芳子さん(70)も観戦したという。父で元関脇の貴闘力(49)は、納谷のデビュー戦のため、チケットを約500枚も売って“援護射撃”した。デビュー戦について「一安心。息子たちがだんだんと巣立っていってくれてうれしい。スケールがでかいから、楽しみにしています」と話した。芳子さんは、流血の試合に涙を流した。母親の美絵子さん(43)からは「良かったね」、一番下の弟・幸成君(16)からは「見直した」と声を掛けられたという。「これからはブレーンバスターや、自分の身長を浮かしたワザを覚えていきたい」。2戦目は12月7日の後楽園大会に決定。「もっとお客さんを沸かせられるワザを見せたい」と抱負を語った。